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2022年版 夏の暑さに注意しましょう!


今年、2022年の夏は要注意です。

今年は、南米ペルー沖の海水温が平年よりも低い時の現象であるラニーニャ現象(日本の夏は暑くなる)が観測されています(エルニーニョ現象の逆パターン)。さらに最近では、太平洋高気圧よりも高い所にあるチベット高気圧の東端が日本列島まで伸びて2階建てのダブル高気圧となっています。また、フェーン現象が加わると更に暑くなります。

実際に6月第5週には関東以西は梅雨明けして猛暑日が続きました(同時期に、梅雨が無いと言われている北海道は梅雨のような天気で豪雨も有りました)。
付)7月4日の週は猛暑も一休みのようです。

今年の夏は平年よりも気温が高く、暑い期間が長くなると予報されています。昨年投稿しました下記の記事を参考にして頂き、熱中症にならないよう十分に注意して欲しいと思っています(ペットや子供は特に要注意)。
気温測定の条件、天気予報で言っている気温と実際の気温との違い、アスファルト上の気温、地上高さと気温の関係等の解説をしています。

2022年6月30日 記

【フェーン現象の解説】興味のある人はどうぞ。
湿った空気が高い山脈を超えると、山脈の風上側に比べて風下側の気温が高くなる現象をフェーン現象と言います。空気が乾燥していれば風上側と風下側の気温はほぼ同じです。つまり、「湿った空気」がキーワードです。

湿った空気が山脈にぶつかり上昇すると上昇するにつれて気温が下がり空気中の水蒸気は結露して雲になります。高温多湿の空気ほどたくさん雲ができます。ここで、水蒸気が結露して水に変わる(気体から液体に変わる)際には潜熱を発生して空気の温度を上昇させます(気温の下がり方が緩やかになる)。つまり、水が蒸発する際に周囲の空気から熱を奪って気温を下げることの逆の現象です。この潜熱による気温上昇分+風上側の気温=風下側の気温、となります。

例えば、海抜0m地点で30℃の空気が2,000mの山脈を越える場合の例を下に示します。湿った空気の場合、山脈頂上の気温は乾燥空気の場合に比べて高くなり、その結果として風下側の気温が高くなります。山脈頂上に至るまでに湿った空気の水蒸気がほぼ雲になったとすれば、山脈頂上から風下側に下る際の気温上昇はどちらも同じため、湿った空気の場合の風下側は暑くなるわけです。

(1)乾燥空気の場合
 風上側の気温=30℃    山脈頂上の気温=16℃   風下側の気温=30℃
(2)湿った空気の場合
 風上側の気温=30℃    山脈頂上の気温=20℃   風下側の気温=34℃


以上