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網膜剥離になって。眼科の待合室で出会った人たち。

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網膜剥離になった時の事。励ましてくれた方、話を聞いてくれた方、眼科の待合室で出会った方たちの話。
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いろいろ考えてもどうしようも無いことが、人生にはあるんだよ。と言ってくれたあの人

あともう少し、眼科の待合室で出会った人の事を書こうと思う。 一人はとても元気だったおばあさん。 隣に座っていたので、私の方から話しかけた。 このおばあさんも随分前に片目が網膜剥離になったそう。 ある日、目の前に暗いカーテンが下りてきて、緊急手術したと言っていた。 「網膜剥離という病気は、物がぶつかったりした時以外は、全部カルテに『原因不明』って書かれるみたい。原因が判らないって。 だから、努力しても気をつけても、どうしようもない病気なんだよ。」 と言っていた。 そし

今だから、出来ることがある。と言ってくれたあの人

この前の続きのなるのだけど、眼科の待合室でで何度か会ったSさんという女性の事を書こうと思う。 Sさんは具合が悪い私を見かけて声をかけてくれ、診察が終わって薬の処方までつき合ってくれた。 それも数回。 とてもいい人だった。 この人も、かかりつけでは治療不可能な眼の病気だった。 病気になるまでは「本が友達」で読書が趣味だったという。 今は、1、2ヶ月に一回、目の注射をしに近隣のS町からはるばる病院に通って来ているといっていた。 定期的に目に注射をしないと視力が保てないよ

手を握ると、気持ちが楽になるんだよ。と言ってくれたあの人

私は術後しばらく眼科に通院していたのけど、その時に病院の待合室で出会った人たちの事を書こうと思う。 その頃、私は病気がショックだった事もあり、夕食以外は決まったもの(野菜ジュースとヨーグルトのみ)しか取れなくて、しかもほとんど寝られない状態だった。 そんな普通ではない状態で病院に行って、待合所で何時間も待つという事が苦痛だったし、不安でたまらなかった。 この後どうなるのだろう。仕事は出来るのか。 そんな中、同じ病気の人と少し話すと気持ちが楽になった。 最初に話した人は