くろなむ

二児の父、小学校教諭、悩みの多い30代

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最近の記事

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新しく始めることについて

noteを使い始めた。 登録したのは1週間くらい前だけど、記事を書こうと思っては、書かずに終わっていた。 書かないという状態にはいろいろな段階があるけれど、今回の場合は「書きたいことがない」という段階だった。 正直なところ、noteとブログとの違いがよく分からない。そうなると、これまでブログが続いてこなかった経験から、今回もどうせダメだろうと思い、書きたいことが浮かばなくなる。自分にブレーキがかかる。 これまで、何かを始めるときには、先にやっている人のを見て、それに心動か

    • MAGIC SCHOOL AIのルーブリックジェネレーターを使ってみたことについて

      YouTubeのおすすめに、こんな動画が流れてきたので、とりあえず触ってみた。 ルーブリックを作ろうとすると結構大変なのは、やったことがある人はわかると思う。何かというと、何をもって差をつけるのかが、難しい。 それをAIがやってくれるというのは、そのまま使うことはできなくても、すごくありがたい。 詳しい使い方は動画を見てもらうとして、この記事では自分が使ってみたことを紹介する。 実際に、今やっている単元(2年生・国語【光村】の「楽しかったよ、二年生」)のルーブリックを作っ

      • 学校の教育課程を変えていくことについて

        あけましておめでとうございます。 昨年末、渋谷区の公立小中学校で、午後の授業は基本的にすべて「探究学習」にするという、大幅な教育課程の変更を行うことがニュースになった。 このニュースへの主な反応すでにSNS上では賛否両論で、教育改革の舵取りの難しさを感じる。この件に関する反応をざっくり分けると、次のようなものが見受けられた。 肯定的なもの ・こういう挑戦は応援したいよね!という、「改革いいぞどんどんやれ派」 ・これからの時代は、やっぱ探究でしょ!という、「謎の探究推し」

        • 風姿花伝を読んだことについて

          1. 風姿花伝とは?風姿花伝といえば、日本の芸能論として頂点に君臨していると言って過言ではない、世阿弥の代表的な能楽論である。 2. ゴールデンウィークの読書体験今年のゴールデンウィークは、教育書も自己啓発書も小説も、全部読む気にならなかった。特に教育書は、どれも何だか同じことばかり書いてあるような気がして、お腹いっぱいになってしまった感があった。 それでも、何か読んでいないと落ち着かないので、クルマのタイヤ交換の間に、近くにあった本屋で立ち読みをした。 忘れる読書 (P

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        新しく始めることについて

          PISA2022の結果概要について

          https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2022/01_point.pdf 今回は、あまり騒ぎになっていないPISA2022について考えてみた。視点は、あくまでも一人の教師として。 PISAの結果についての世間の反応は冷めている 結果が良くないと大騒ぎされるPISAだが、今回は比較的順位が高かったせいもあってか、世の中的にはあまり盛り上がっていない。 PISAの目的は教育政策改善であり、順位よりも個別の問題かに注目すべきそもそもP

          PISA2022の結果概要について

          千々布敏弥『先生たちのリフレクション』を読んで考えたことについて

           千々布先生といえば、怖かった先輩ですら恐れていた「めっちゃ怖い人」というイメージがある。何が怖いのかは、よくわからなかったのだけれど。  そのせいもあってか、自分は本書を読んでいると、なんとなく「ずっと叱られている」気分になる。それは多分、一つ一つの言葉が鋭いからだろう。また、著者自身が述べているように、全国津々浦々の研究会などで、同じようなことを何度も聞かれたり、目にしたりしているから、問題意識(怒り?)も高いのだと思われる。  では、著者は何を問題視しているのか?その

          千々布敏弥『先生たちのリフレクション』を読んで考えたことについて

          「海の命」(光村図書6年)教材分析

           自分が子どものころから、教材として定着していった「海の命」。「やまなし」と並んで「難しい」と言われることが多い教材だと思う。この二つの教材の難しさは、その抽象性の高さからくるものだと思う。なんだかよくわからない。だけど、その「わからなさ」も、いくつかの視点で読み解いていくことができるのが、教材としての懐の深さだと、授業をするたびに感じさせられる。  とりあえず、あらすじと因果関係をとらえるために、ざっくり読んでまとめてみる。これまでの経験上、第五場面にそれまでの出来事や人

          「海の命」(光村図書6年)教材分析

          読みかけている本について

           久しぶりに、文庫本を買った。  重松清の作品は、学生の頃に生協とか書店とかで必ず見かけて(今でもそうだが)、同世代の人ならきっと学生時代に伊坂幸太郎、東野圭吾、重松清の作品を何かしらは読んだことがあるんではないかと思う。  久しぶりに東京に出る用があったので、新宿のブックファーストに立ち寄った。いつも教育書ばかり買っていて、なんか面白くないなと思ったので、ふらっと文庫本コーナーに立ち寄り、気付いたら重松清の名前を探していた。    その中で、何となく黄色いカバーが気になっ

          読みかけている本について

          友だちから届いた言葉について

          住職をしている高校時代の友達から葉書が届いた。ついこのあいだ、年賀状をやり取りしたばかりなのだが、今回は「看却下」と書いてある。読めない。 調べてみると、「かんきゃっか」という禅の用語?らしい。 このサイトでは、「足元を見て歩け」ということだが、友だちからの葉書には、「落ち着け」と説明されていて、まあだいたいそういうことなんだなとようやく腑に落ちた。 どうも最近、落ち着きがないような感じがする。いろいろなことが過ぎていってしまいすぎて、心がざわつく感じ。だから、この「看却

          友だちから届いた言葉について

          自学自習について

           現在受け持っているクラスで、4月から続けている取り組みが「自学自習」と呼んでいるものだ。すごくシンプルに言えば、「子どもが授業をする授業」  自分の中にあるのは、一斉授業への違和感。「個別最適な学び」とはどういうもので、現在の授業の在り方をどうやって変えていけばいいのか。一年くらい前からずっとそのことを考えていて、まず自分のクラスレベルでできることと言えば、これだと思った。 準備 大きく三つあって、一つは単元の中でどの時間を自学自習をするのかを決めること。これは、単元の途

          自学自習について

          幼馴染と話したことについて

           先日の研修での帰り、同期であり幼馴染でもある先生(K)と一緒になったので、俺の車で一緒に帰ることにした。  Kは、幼いころからの親友だった。小さいころからスポーツが得意で、自分の意見をはっきり言える、憧れの存在。今でも尊敬している。小学校ではずっと別のクラスで疎遠だったが、中学3年で同じクラスになり、またよく話すようになった。  高校は別々になり、次に再会したのは大学院だった。不思議な縁を感じた。うちの院にくるということは、たぶん教員になるんだろうと思っていたら、やっぱ

          幼馴染と話したことについて

          OneNoteを使い始めたことについて

          使おうと思ったきっかけ 「教育研究」という雑誌を購読している。教員なら一度は触れることになるであろう、筑波大学付属小学校の研究会が出しているものだ。自分は教員になって初めての夏休みに公開授業にいきまくり、帰りの電車の中でネットの定期購読を申し込んだ記憶がある。(だいたい筑波の研究会では、教室が書籍や雑誌の即売所みたいになっていて、そこでも申し込みは受け付けていたと思うけど、周りの教員の「あいつ申し込むのか。意識高め?」という視線を感じたり、「お前今更講読始めるのかよ。遅れてる

          OneNoteを使い始めたことについて

          研修の効果について

           受講してきた。ほかの学校の実践を知れるのは貴重な機会であることは間違いない。グループでの話し合いもさせてもらえて、「コミュニケーション大事!そのためのお菓子大事!」という話で盛り上がった。しかし、「中堅研」と銘打っている以上、「資質の向上」が見られたかどうかがわからないといけない。  だけど、研修の効果を確かめるのは不可能に近い。テストするのは論外として、この研修を受けたから、明日から爆発的に学校の中核として活躍できるのかというと、そうではないし、きっとすでに活躍している人

          研修の効果について

          教員の質について

           最近、教員の定数割れがニュースになった。これは予想されていたことなので、(何なら去年もあるにはあった)そんなに驚くことではなく「来るべき時が来た」という感じが強い。数が足りないことは大問題だけど、それ以上に問題なのは「質」だと思っている。  今年始まってすぐ、BSで「欲望の資本主義」という番組を見た。テレビは見なくなったけど、NHK、とくにBSはちょくちょくみている。採算を度外視したおもしろい番組が見られることがよくあるからだ。  これから起こることは分からないけれど、

          教員の質について

          協同的に学ぶことについて

          前回触れた「学びの責任は誰にあるのか」で、けっこう印象に残っているフレーズがある。 「個別」か?「協働」か?で揺れていた自分にとっては、ここまではっきりと書かれているととても落ち着くことができた。しかも「再」確認だという。うん、やっぱり「個」に戻さなければならない。 そうはいっても、個人で学ぶのなら学校に来なくていいわけで、現にそういう学び方をしている人もいる。が、自分は教員という立場から、学校で学ぶことを価値づけていかなければならない。そこで「協同学習入門」を読んでみた

          協同的に学ぶことについて

          最近読んだ本について~個別最適な学びと協働的な学びを中心に~(その1)

           長期休業は、教師にとっては休みが取れるのと同時に、まとまった時間に読みたい本が読める時間だと思っている。  本を読むときには毎回、何かしらテーマがあるけど、今回は「個別最適な学びと協働的な学び」が大きな問題意識としてあった。結構いろいろ読んで、思い返してみるとあんまり覚えていないことに気づき、感想を書くことで少しでも記憶の定着図りたい。  まずはこれ。  海外の教育書の翻訳したものを読むのは、参考になる点もありつつ、現実の教室にすぐに持ち込めないことも多い。だから、長期

          最近読んだ本について~個別最適な学びと協働的な学びを中心に~(その1)