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【映画メモ】フラッグ・デイ 父を想う日【#20】

「アイ・アム・サム」でショーン・ペンを見たので、つながりでこちらも見て見ました。

解説は映画.comさんより

名優ショーン・ペンが初めて自身の監督作に出演し、実娘ディラン・ペンと父娘役を演じた人間ドラマ。ジャーナリストのジェニファー・ボーゲルが2005年に発表した回顧録を原作に、愛する父が実は犯罪者だったと知った娘の葛藤と家族の絆を、実話を基に描き出す。
1992年、アメリカ最大級の偽札事件の犯人であるジョン・ボーゲルが、裁判を前にして逃亡した。ジョンは巨額の偽札を高度な技術で製造したが、その顛末を聞いた娘ジェニファーが口にしたのは、父への変わらぬ愛情だった……。
父の正体を知り苦悩しながらも弱さや矛盾に満ちた父への愛情を深めていく娘をディランが熱演。共演に「ボーダーライン」のジョシュ・ブローリン、「ウィンターズ・ボーン」のデイル・ディッキー。「フォードvsフェラーリ」のジェズ・バターワース&ジョン=ヘンリー・バターワースが脚本を手がけた。2021年・第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

https://eiga.com/movie/95169/

映画は解説の通り、娘が父を語る、弱くて見栄っ張りでどうしようもなけれど大好きな父親について回想するような内容です。

本編のストーリーとは少しズレるのですが、娘のジェニファーが大学への進学を希望します。ジャーナリズムを専攻したいと、教授の面接を受けるのですが、経歴が全くの嘘です。推薦状は嘘で、本当は高校中退、父親のことも調べられていて、経歴が全て嘘ということがばれます。しかし、ジェニファーの書いた3本の模擬記事を評価してくれます。そして、細かなシーンは描かれませんが、入学が許されます。

お父さんの詐欺師的なところを見て育って、受け継いでしまった部分もあったのだと思います。自分の経歴にコンプレックスもあったのでしょう。でも、面接した教授は、それを責めることはありませんでした。模擬記事の優秀さと、もう一度本当の経歴で応募し直しなさいというような教育的な配慮があったのだと思います。

「聖書を語る」(中村うさぎ、佐藤優)の中に次のような文章が出てきます。

結局、人間は人生で一番最初に触れた世界観的思想の刷り込みから逃れることはできないのだと割り切っている。

p12

これはジェニファーが嘘をついていたことを言いたいのではなく、自分が子供の頃によく仏教、特にうちは真言宗だったので、お大師様の絵本を読むことがよくありました。その中には、人のために頑張った人のエピソードや、お大師様人助けをしたエピソードなどがこれでもかというくらいに出てきます。そういうことが根底に刷り込まれているからかどうか分かりませんが、最近は特にボランティアや、社会的なラフラインで救いきれていない人、さまざまな事情で、世間の隙間に落ちてしまった人に気が向かうことが多いです。

別に僕は聖人君子では無いので、自堕落で失敗した人は自業自得だと思うし、努力しないで助けてほしいというような人をなんとかしたいとは思わないのですが、ちょっとしたボタンの掛け違え、後少しきっかけがあれば変われるというような状態をなんとかしたいなと思うことが多いです。

今回の映画でも、ショーン・ペンの演技はすごいし、娘のジェニファーはション・ペンの本当の娘で、演技も上手くて、ストーリーも面白いし、父と子のしがらみや葛藤ややるせないところもあるのですが、それよりも、ほとんど描かれていないジェニファーが大学に受かるところの描写が心に残りました。

自分がそういう立場に立った時には、そういう子にチャンスを与えられる人になりたいと思った映画でした。

おわり


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