朝のコピー短歌(2019.11.05)“とき”ですね


“とき”ですね と言えばいいえ“時”ですね
「ひらく」と「とじる」の平行線で


漢字をひらがなにすることを「ひらく」と言い、
ひらがなを漢字にすることを「とじる」と言う。

「むすんでひらいて」のように「とじてひらいて」コピーを書く。
そして、いいコピーが書けた場合は、手ではなく膝を打つ。

ひとりでコピーをつくる場合はなんの問題もないのだけれど。
ページ数の多い冊子でコーナー別に担当コピーライターがいる場合などは、
そのひとの好みやクセ、はっきりとした意図があったりして、漢字やひらがななど表記のゆれが生じる。「とき」にするか、「時」にするかで、なかなか折り合いがつかないことも実際にありました。

「ある時」、「その時」、「時の流れ」など、時間や瞬間をあらわすなら漢字に、
「結果をお伝えいただくときは、メールでお願いします。」
というように「場合」に置き換えられるときは「とき」とひらがなにする。
それ以外も、ひらがなにすると読みやすくなる場合はひらく。

だれに教わったかは忘れたけれど、なんとなくこんな基準で書いてきたけれど、それは人それぞれ。

三省堂の『ことばの知識百科』にも、
「漢字とかなを使い分けたほうがよい単語」が列記されている。(一部抜粋)

上げる 本を棚に上げる/本を読んであげる
言う 意見を言う/人間という生き物
 台の上に置く/ご一読のうえ、返送願います
切る 紙を切る/この紙には書ききれない
 事は重大だ/食べることが趣味だ
限り 限りなく広がっている/命令がないかぎり
下さる 先生が本を下さった/はやく返してください
来る 明日は三時に来る/ちょっと行ってくる
 家の中へ入る/雨のなか、ありがとうございます。
 時は金なり/帰りついたとき

益々、尚更、其れ故、但しなども、ひらくことが多い。
だからといって、漢字で書いたから間違いになるわけでもなく、
意図的にとじて書く場合もある。

日本語は、どうにでも調理できる生ものである。
おいしい料理になればそれでよし、かな😽


迷走中みそひとメモ

「とき」と「時」どちらを先に持ってくるか。

そこまで迷走せず、ほぼ即決。
上の句はひらがなが多くなるので、読みやすさで、後に漢字の「時」を。
また下の句で「ひらく」を先に持ってきたかったというのも理由。

それより上の句の「ですね」「ですね」と重ねるか、「ですね」「ですよ」にするか。

平行線だとどっちがおもしろいんだろうと。「ですよ」にしてしまうと説得しようとしている感じが出て、「ですね」さんが次に「ですか」と漢字にしてしまうような空気も。読んだリズムでは「ですよ」のほうがいいし。うーん(^_^;)


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