「包茎をバカにする社会が悪い」と言ってあげないと「僕」は救われません

『モテない問題を考える会通信』をしていた知りあいから連絡を受け、モヤモヤ相談室(注)の「包茎はすぐに手術したほうがいい?」という質問と回答を見て、回答者は「僕」の悩みを理解していないとしか思えなかった。

「僕」の質問は長くない。全文引用する。

(引用開始)僕は包茎です。男友達に相談したら「こいつ包茎なんだって〜」とからかわれるようになりました。
包茎って女の子にも知られて避けられてるように感じます。
包茎って悪いこと、恥ずかしいことなのでしょうか。すぐ手術した方がいいでしょうか。(引用終了)

質問の中身は1)包茎を相談したら男友達にはバカにされ、女性には避けられるように感じた2)包茎は恥ずかしいことなのか。そうだとしたらすぐに手術が必要なのか。という二点である。

この「僕」の悩みは1の状況がなければ2の質問にならないことが明白であろう。にも関わらず7人の回答者は「包茎って悪いこと、恥ずかしいことなのでしょうか。すぐ手術した方がいいでしょうか。」の部分ばかり回答している。

残念ながら、「僕」の悩みは後段だけ回答したのでは解決しない。なぜなら、包茎だといってからかう男性社会をなんら批判していないからである。包茎だとバカにするのはセクハラだという趣旨の回答をしている回答者7人中1人しかいない。

あなたは何も間違ってない。バカにする男友達が最低だ。繊細な「僕」にはこれくらい言わないと救われないでしょう。

そして「包茎って女の子にも知られて避けられるように感じます」と「僕」が思ったのは女性にモテたり仲良くしたりできる方が、社会の中では上位と思われるという規範を内面化させられているからです。

「僕」の内面化した規範に沿った回答するなら『包茎こそ素晴らしい。包茎でもモテる』というロールモデルを示してあげないとダメだと思われます。

そんなのおかしいと思う回答者がいたら、男性間では性体験のあるなしがその男性の評価に直結するという事実に対しあまりにも鈍感でありそういう人はこういう質問に回答する資格がないと言っておきます。

最後に男女同権論者はこういう男性間の実情を分かったり分かろうとしているのでしょうか?

男性性を内面化できないで悩みを打ち明けるある種誠実な男性の質問の裏に潜む真意を無視し、そういう男性を絶望に追い込み男社会に逃避するような事態にならないことを切に祈っています。


(注)ー質問と、回答者の回答内容は以下参照。


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