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ジェントル・スレイヤー。

やぁ、いらっしゃい。今日もよく来たね。

この冒頭の文章を始める時。
向き合ったその時に勝負が始まる。

たかが4~5行。だがしかしこれが手強い。
無から有へ、ここが唯一悩まされることがある。


学生起業家。


よく聞くようになったね。
学生起業家。

昔に比べて、便利になったよ。
ネットの普及で大きく動きが変わった。

何より最初に巨額の資金が必要ない。

あるならあるに越したことはないけど、
ないならないなりの攻め方だってある。

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プラットフォームしかり、SNSしかり、
方法や知り合いは全部板の中にある。

中でもデジタルよろしくしている。
そんなタイプとは真逆の営業スタイルもある。

どちらかと言えば古風なスタイル。

今回はそんな学生起業家のお話だよ。

大学生の女の子。


M氏は起業家として活躍する女性。
今は大学を卒業して約二年弱。

非常に容姿端麗で、屈託のない性格。
しかも裏表がなく、基本的に素直。

まぁ、もちろんその奥には裏表はあるけどね。

基本的には幅広く好かれるし敵を作らない。
非常に立ち回りに長けた印象を受ける。

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地方出身で、大学生になってからは非常に活発。

アルバイトも多くを経験。
モデルで撮影などもこなしていく。

SNSでもその様子がアップされていたが、
確かにかわいい。自信をもっているのも頷ける。

実物を見た時、感じるものがあったのはよく覚えてる。
知り合ったのはまだ2年程。

ただ、ちゃんと話したのは1年前くらいかな。
既にある程度、事業として形の出来た状態で対面。

自覚のある雰囲気。


さて、実際に会ってみたらどんな子やら。

正直な話、そういう印象が先立った。
しっかりしているとは言え、まだまだ学生上がり。

決して下に見ることはないけど、
どんな雰囲気を持っているのかに興味を持った。

現れた彼女は、快活な雰囲気。
全く人見知りもなく堂々としている。

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距離感も近すぎず、遠すぎず。
やや近距離寄りのポジショニング。

起業スタート地点はバーだった。
違法建築感溢れるレトロビルの一室。

バーと言うよりは場末のスナック・・・。
中に入ると異世界のように若々しいかわいい内装。

1時間延長更新制の飲み放題。
店内にはM氏を含め、3~4人ほどの女性スタッフ。

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学生同士の友人や、モデルの知り合い。
ビジュアルと性格を寄りすぐったメンバーという。

バー、もっと言うならガールズバーだね。

今では男性スタッフを1人常駐させる条例があり、
ガールズバーとも呼べないんけど、実態はそう。

M氏は堂々と指示出し、厳しいホスピタリティを意識。

傍目に見ていて感心したよ。

お水の裏道。


花道。とは決していえない。

派手なプレイヤーに、派手な店内。
そして超地味な建物。

人通りは非常に多いのでお客さんには困らない。
ただし、知り合いや紹介。SNS経由が中心。

そんな異様な場所に一見さんはなかなか来ないもんさ。

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リピートも多く、連れ添ってくるお客さん。
お世辞にも客単価は安いものじゃない。

確実にバブリーな売上はあると見込む。

M氏は間をおかず、夜の繁華街の一角に新店舗を出す。
既存のバーとほど近く、歩いても10分程度さ。

これまた微妙なビルの空中階。
ここでM氏の異能がまた光る。

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業態はラウンジ型。

交流会やランチ会。
ゴルフコンペなどを立ち回るM氏。

そのビジュアルと振る舞いでおじさんファンを獲得。

新店舗は常に開いている訳じゃない。
完全予約制の貸切型。

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事前に予定して、寄りすぐりのメンバーで構成していく。

学生サークルの後輩やモデル仲間など。
時にはバーのエーススタッフ。

一通り事前教育はしているが、いかんせん素人。
仕切りはママ役であるM氏が完全に取り仕切る。

店にはアルマンドやモエ・シャンドンなど
よくあるパーティドリンクを取り揃える。

バースデーや大型受注など、
イベント事で利用するパターンなどは大きくお金が動く。

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元々お酒に超強いM氏。
飲む時は飲む。メンバーもかわいい顔して酒豪揃い。

相手方の人数にもよるが、一晩で数十万。
コレを週に3、4回組んでいく。

リピートも多く、きっと社長さんは
相当M氏に鼻の下を伸ばしている事だろうね。

新業態。


M氏は美容部門にも進出。

ここはしっかりキレイなビルに入る。
内装も美しい、機材もしっかり。

恐ろしいのは、ラウンジのお客さんが
ほとんど原価で斡旋と施工を行ったこと。

M氏は歩きながら人脈を作っていく雰囲気。

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私は、この時点の彼女と知り合うことになる。
色々話を聞きながら、気になった事がある。

『何故美容に?』

「私の働き方はずっとは続かない」

自分の期限を区切っている。
印象的だった。

バーを始めた時点で、売却を視野に。
ラウンジは完全予約。撤退は可能に。

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本当にしたいことは、マダム向けのリッチな美容。
立ち回るようになれば、自身が顔役として看板となる。

その脇周りの業界人は徐々に繋がっていく。

かわいいは当然に自覚している。
同時に、その衰退と後進の追随も理解。

自身がそうしてきたように、
そのままならいつか、新しい勢いにめくられる。

だから、期限を切った。

M氏の堂々とした言葉は若干23とは思えない重み。
わくわくしちゃうね。

これから。


とても聡明で行動的なM氏。

その危うさもまた隣り合わせ。
美容部門も、昼間の合間には自身も立つ。

ほぼ眠らずでも稼働出来るのは驚異的。
その歪はどこまで食い込めるのか。

時間の勝負。
それほどまで、神経を尖らせる業界。

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自分はコレしか出来ないから。

いや、一点突破もそこまでいけば大したもんだよ。
完全アナログもここまでいけば才能さ。

私も一過性とはいえ、ビジネスをさせていただいた。

だからこそこれからのM氏の動き。
関心を持ちながら応援していきたいと思う。

どうか、危ぶまれることなかれ。

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