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スタイリッシュ開店休業とは?

お疲れ様、忙しいところ来ていただいて感謝感謝。

記事の作成はある程度まとまった時間を取る必要があるよね。
noteの下書き機能は重宝する。まじで。

ただ、個人的には一気に書ききりたい。
時によりそれを許さない状況もある、ジレンマよね。

クールなスーツで店に立つ。


オーダースーツ店で店長を務めるT氏はスリムな男だ。

コロナ前からの知り合いで、そこまでやり取りが多いわけではなかったが、時々、話す機会があった。

さすがはオーダースーツ屋と思わせる、体のラインに沿ったピシッとしたスーツと、伸びた背筋。柔らかい性格は好感度が高い。

複数店舗を展開している企業で、特定店の店長をしつつ別店舗の視察担当も兼ねている上級職。

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オーダースーツ屋といえば、小規模で色々記事が並ぶ印象があるが、T氏の店舗はそこそこ大箱店が多い。

何げに事業はしっかりしている。

①既製品スーツ販売
②オーダースーツ販売
③フランチャイズ展開
④スーツ自社工場運営

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元々、スーツの工場が母体となっていて毎日稼働が忙しい。
既製服の卸売、EC販売も細々と頑張っている。

そんな中で新鋭事業としてオーダースーツ部門がある訳だ。

良い立地がブランディング。


都市圏で人通りが多い場所に店舗を構えている。

ただ、販売しているものはオーダースーツだ。
正直なところ、単価は高いが接客時間は一般のアイテムよりも長い。

店舗にいるキャストも1名か2名。
明らかに坪単価としては非効率なビジネスモデル。

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もちろん理由はある。

LOUIS VUITTONやDiorなど、超ハイブランドはいい立地にのみ店舗がある。
お客さんはフラッとそんな店には行かない。
※一部対象外は除く

基本的に家や仕事後の職場から、店を目的地にして向かうタイプの店舗。

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もちろん、広々とした店内にぞろぞろお客さんがあふれる雰囲気はない。
ラグジュアリーな空間は、お客さんに特別感を演出する。

適当に置いてあるアイテムを無造作に掴んでレジに持っていくという文化ではない訳だ。
※一部対象外は除く

目指すべきはハイブランドイメージ。


T氏の店だってコンセプトは似たようなもの。

オーダースーツは高かった。というよりは価値相応の金額という印象。

ロロ・ピアーナ(Loro Piana)やエルメネジルド・ゼニア(Ermenegildo Zegna)など、有名な生地だが、何気に生地には沢山種類がある。

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そのそれぞれにファンもいるし、接客を通じて初めてそれを知るファンもいる。
T氏を始め、ディーラーはその辺りの知識にとても詳しい。

体系や雰囲気、シチュエーションによって生地もカラーも変わる。
担当によってはアートのような感じで、色々提案してくる事もあるが正直話しに付いていけない事もある。笑

袖のカット、ボタン、刺繍。
採寸とは別に、隅々にわたり好みをヒアリング。

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何となく、オーダースーツカウンセリングを受けていると、その気になってしまう。
話し込んだらキリがない、でも限られた時間。

飽きられず、ダレさせないタイムマネジメントはマストスキル。
広々とした空間で特別な演出は、一般人に感動を与えるが疲労感も恐らく与える事にもなる。

ラグジュアリーを目指しつつ、居心地の良さを提供する。

若いキャストも多いが、それなりの年齢の紳士が対応するケースが尽きないことにも理由はあるのだろう。

コロナ禍、ステイホーム時代に。


程なく、緊急事態宣言が発生し世間で人が出歩かなくなった。

もちろんオーダースーツにもしわ寄せがいく。
その頃、逆にやり取りが少し増えた時期だった。

それ以前に、ビジネスカジュアルといった新しいジャンルのファッションがビジネスシーンに登場して久しく、スーツ自体の販売も減少傾向ではあった。

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少子高齢化の影響もあり、今後更に減少傾向は留まらないだろう。

ただ、逆にオーダースーツは個別対応で密を避けるという面もあり、紹介で細々と1日1~2名の対応をすることで、息を繋ぐことが出来たそう。

自社工場を持っていて、フランチャイズ先や提携先がオーダーを出してくれるというのも苦しいながらも他社との差別化が活かせた。

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傘下店は小さい規模で、郊外店もある。
ラグジュアリーは必要とせず、フレンドリーを意識する。

昨今では1着10万したオーダースーツが3着でお釣りが出るパターンもある。

採寸がどうしても時間を食うので、一回の購入で数着仕立てるお客さんも増えるのは自然の流れだ。

人脈作りの達者な若い傘下店は、コロナ禍でも忙しくしていた。

傘下より弱い本部。


SNS全盛で、店と同等の目線でやり取りが出来る空中戦は大型店特有の鈍足の弱みをモロに付いた。

オーダースーツ店の個店のクライアントでもまずまず実績が出たし、その話をT氏に話してもなかなか上層に届かない。

T氏の内心は頃合いを見て独立し、1個店オーナーとして工場を活用させてもらいたいと考えているそう。

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ただ、言い始めてから約3年、現在動きはあるようには感じない。
縛られているものがあるのか、大手あるあるの後回しなのか。

時間は有限だ。
T氏がどこで行動を起こすのか、はたまたそのまま足踏みを続けるのか。

会社は何だかんだ部分的に苦労はしているが、早々と崩れる事はなさそう。
若手は辞めているが、中間層はそうもいかないんだろうね。

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フリーランス激増の中で、個人開業の実力者は確かに多い。
人脈とテクノロジーをうまくビジネスに落とし込んでいる。そして話も早い。

我々のような業者も案外入り込みやすい新しい層なのだ。

これから。


スーツ販売。昔から続くアナログなビジネス。

だけど、販売という結果まで様々な努力がなされている。
努力の方向性は人それぞれ。

努力すれば叶うというか、結果に届いたのは絶やさぬ努力。
長時間頑張る熱血は時代柄合わないのかもしれない。

T氏も本部の皮を捨て、一対一で個店の話を聞いてみれば思うところもあるんだろう、やるかどうかは知らんが。

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noteを見ていると、色んな目線で記事を書いている人が多く、何とかその立場で見ようとするが数が多く追いつかない。

だからこそ、数をこなしていくことでコスパの良い学び方を学べる良さがある。

いつも感動をありがとう。
きっとここまで見てくれた貴方の記事にも楽しませてもらっています。

スキ・フォロー・コメント何卒何卒。
それでは、また。


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