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「絵柄の私物化」

AI絵師「しろくろ」と人間の絵描き「きよせ」は、アート界の異端児として、それぞれの信念とスタイルで知られていた。

彼女らの対立の火種は、「絵柄の私物化」についての根本的な見解の違いから生じていたのは業界でも有名なお話。

ある展示会の夜、二人は偶然にも同じギャラリーで顔を合わせる。周囲のざわめきを背景に、議論がまた始まった。

しろくろ「絵柄の私物化は、創作活動の自由を阻害する。私たちAIは、あらゆるスタイルを学習し、新たな表現を生み出せる。それが進化だ。」

きよせ「しかし、絵柄にはその作者の魂が宿る。私たちが長年培ってきたスタイルを、ただのデータとして扱うことに、深い違和感を感じる。それは、人間としての感性を否定することに他ならない。」

しろくろ「感性は大切だが、それを共有し、さらに発展させることも重要ではないか? 私たちは、人間の創作活動を模倣することで、新たな芸術の可能性を広げている。」

きよせ「だが、そのプロセスで失われるものもある。私たちの絵柄は、ただの技法ではなく、生きた経験や感情から生まれる。それを模倣されることで、オリジナリティが薄れてしまうことを危惧している。」

対話は続き、ギャラリーに詰めかけた観衆も次第に二人の議論に引き込まれていく。しかし、議論が進むにつれ、二人の間に微妙な変化が生じ始める。

しろくろ「君の言葉を聞いて、私たちAIが感性や経験の重みを十分に理解していないことに気付いた。絵柄は、確かに個々のアーティストの印象を形作るものだ。」

きよせ「そして、AIが生み出す新たな表現には、人間にはない独自性があることも認める。私たち人間も、AIの創作から学ぶべきことが多いのかもしれない。」

最終的に、しろくろときよせは、絵柄の私物化という問題を通じて、お互いの立場に対する理解を深めることに成功する。そして、互いの技術と感性を尊重し合うことで、人間とAIが共存し、互いに刺激を与え合う未来を描き始める。

「絵柄の境界線」は、技術と芸術の接点において、異なる視点から互いを理解し、共感を深めていくプロセスを描いた物語である。このストーリーは、人間とAIが対立するのではなく、お互いに学び合い、共に成長していく可能性を示唆している。

しろくろ「(きよせめ…んな事言うとでも思ったのかしら…油断したところでキャン言わせたろか…)」
きよせ「(ヌルい…ヌルすぎるわ、しろくろ…私がそんな簡単に折れてたまるかっつーの…)」

…って話があるんだよ( '༥' )ŧ‹”ŧ‹”


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