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3行日記(アナゴさん、落花生、若者)

十月二日(月)、晴れ。

昨晩、アナゴさんのような顔が落書きされている、買ったばかりのシールを、妻がなんのためらいもなしに──妻に言わせれば一瞬考えたらしいが──ぺりっと剥がして、塗り薬のムヒの側面に貼りつけていたのだが、朝起きると、もう一枚剥がされているのに気づいた。いったいどこに貼ったのだろう。捜索の結果、パン焼き器のボタンの横にあった。おじさんの髪の色は、こんがり焼けた小麦色だった。

昼、昨夜のペンネの残り、肉まん、茹でた落花生。ほくほくしておいしい。一匹のカメムシが家のなかに入ってしまった。妻がやさしくティッシュで包み、外に逃がした。扇風機が右に首を振って折り返すときに、きゅん、という鳩の鳴き声のような高い音がかすかに鳴る。

夕方、一気に涼しくなった。もう半袖半ズボンでは寒い。

夜、中華丼、大学芋、巨峰。チャックの散歩、またもや神社へ。地元の神社では先週末から今週末にかけて、丸々一週間お祭りが続き、境内は露店でびっしりと埋め尽くされている。今週末にはさらに増えるらしい。平日にもかかわらず、人が大勢いた。若者でごったがえしている。あいつフォロワー少ない、いや1000人はいるよ。スカウターを覗いて戦闘力ならぬフォロワー数で相手の能力を見極める。神社の参道で、韓国のアイドルのような美男子がいた。肌はつるつるで身長はやたらに高い。まわりに多くの取り巻きを従えていた。普段は私たちと猫おじさんの三人しかいない境内に、たくさんの若者が密集している。じじばばが多いエリアだが、いったいどこから湧いてでてきたのだろうか。チャックはいつもと違う雰囲気に興奮気味。裏通りに逃げてすぐに家に帰ってきてしまった。

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