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シン・誤訳1 Madonna「Material Girl」

海外の小説の日本語訳なんかを読んだりすると

その内容の面白さもさることながら

翻訳の素晴らしさには
毎回驚かされます

まぁ、
実際原文は読めないので本当の凄さは知る由もないですが

少なくとも日本語として不自然ではない
コレ、実は並大抵ではありません
ひとえに訳者という職人の為せる技なのです

どんなに素晴らしい名作でも
訳がヘタレならすべて台無し

翻訳というのは
カゲの功労者であると同時に
第二の作者といっても過言ではないと
私kurosukeは思うわけです

ただ
こと洋楽においては
残念ながら

“この翻訳スゲえ!”

って曲にゃ
とんと出会ったためしなし。

聴き手が自由に解釈できるように
ほぼ直訳にしなきゃならない訳者の苦労は
わからんくもないけど

日本人の洋楽離れの根本は
こんなところにあるんじゃねぇかって
勝手に暴走したのが
この「誤訳」シリーズというわけなのです。

note
における記念すべき第一弾はこちら

「Material Girl」
Madonna


特に意味はありません。
たまたまラジオで流れてたのを聴いて
ヤッパりオモシロイ曲だなぁと感じただけです

曲の内容は単純明快なので
訳す意味あんのかと危惧しましたが

掘れば掘るほど
出てきましたよ。

materialが

では、どうぞ


「Material Girl」概要

2ndアルバム『Like a Virgin』(1984年)
1曲目
Words&Music:Peter Brown, Robert Rans

このアルバムのヒットによって
世界的スターとして確固たる地位を築いていくこととなるマドンナ。
65歳を迎えて今尚第一線で活躍する彼女のバイタリティたるや…

最早説明不要ですね。

「Material Girl」
身も蓋もない直訳をすると
“物欲少女”

めっちゃモテるけど
金にしか興味のない
身近にいたら実にやな奴って感じですが

無駄をそぎ取って洗練された
シャレオツダンスポップな曲調に
マドンナのキュートな歌い方で
不思議と不快な気分はしないし

欲に対して真っ直ぐで迷いのない姿勢は
寧ろ達観した僧の如し。

物質世界-マテリアルワールド-
を主題としているにもかかわらず
深い精神性を感じてしまうのは私だけでしょうか

ある記事にあった
“ガキ使に出てくる板尾の嫁の登場シーンにかかる曲の一つ”
という説明には思わず笑ってしまいました

誤訳


わたしに触れるのも
キスするのも
簡単よ

でも
そんなはした金じゃ
できる事はなんにも無いわ

いくらお願いしたってダメよ

わたしが求めてるのは
持っている人
ただそれだけなのよ


だってここは

“マテリアル・ワールド”
欲望の街

あなたは
まだ
なにもわかっていないようね


「俺はイケてるだろ、ダンスだって上手いんだぜ」
ですって

それが何?

愛だの
夢だの
語る暇があるんなら

ちょっとでも稼いできたらいいのに

わたしに少しでも興味をもってほしいならね


だってここは

“マテリアル・ワールド”
欲望の街

ホントはあなたもわかっているんでしょう


次から次へと
男の子達が通り過ぎていくけれど
そのたびに
わたしはリッチになっていくのよ

決して振り向くことなんてしないわ


だってここは

“マテリアル・ワールド”
欲望の街

わたしはここに住む
ただの女の子に過ぎないわ

Peter Brown, Robert Rans kurosuke訳

MV


蛇足<ちょっとだけ英語のお勉強>

「なんだよ、この記事。ちっとも英語の勉強にならんかった。損したぜ。」
っていうコスパ重視なきみのために
ちょっとだけ英語表現をオサライします

make my rainy day=私を憂鬱にさせる
から

Only boys who save their pennies
make my rainy day
の部分を

セコセコ小銭を貯める男の子達なんてウンザリ
といったニュアンスで訳せそうで
実際そういう訳も見かけますが

その前の

Some boys try and some boys lie 
but I don’t let them play
の薄っぺらい男共の対比として
“Only”とついてることからも
 my rainy day(friend)=逆境の友
のニュアンスで

困った時に助けてくれるのは
キチンとお金を貯めてる男の子なのよ

と訳すらしいです。

私もこっちを採用しましたが

どちらにしても
言葉足らずでヤキモキしますね。

もっとピッタリくる英文にできなかったのか
できても語呂が悪いのか

英語スペシャリストなお節介さんがいらっしゃいましたら是非ご意見を。

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