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俳句 さくらはじめてひらく

   見納めの木札掛りし老い櫻

   老櫻二りん樹洞の癒えぬまま 

   花びらをしたたり落ちるさくら色

   

 大きく枝を伐られた桜の老木があります。幹に空いた大きな樹洞(ほら)は 長らく手当てされてきたのですが、ついに倒木の危険が避けられないと判断されたようです。今年で最後という木札が掛けられています。
 霧雨の中 露をしたたらせ震える花びらは いっそう美しく 「光る君へ」の世界を想起しました。

桜始開(さくらはじめてひらく)七十二候
    桜の花が開き始める頃

写真の絵は筆者によるものです
 七十二候の言葉に 絵を描き俳句を詠むことを目ざしています
 
 子どもの頃 不思議でならなかったことがありました。図画の時間に習う絵と 家に飾ってある絵が どう見ても違うことです。
 私はどうにも その絵が好きでなりませんでした。色紙に描かれていた露草の絵。
 後に 学校で習うのは西洋画であり、私が見ていたものは日本画であると知るのですが。三十代の半ば 近くの公民館で墨彩画教室を発見。我が意を得たりと入会しました。 ただ、師は御高齢で3年ほど習ってお終いになりました。
 以後 子育て 介護 仕事など続き、また墨彩画は道具も大掛かりで自学自習はなりませんでした。
 ある時 葉書なら家庭でも続けられると思いたち 折にふれて 暮らしの中で 家族や友人への便りに描いていました。そんな中で 二十四節気七十二候の言葉に出合い 葉書絵を描きたい気持は募り 今に至っています。
 今もあの露草は記憶に鮮やかです。
 
 

 
 
   
        


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