日々の色 本の地図
原田マハ「リボルバー」
ゴッホとゴーギャンの相克に息を詰めて 一気に読み切ってしまいました。
始まりは史実の実証を追うように読んでいたはずが いつの間にか 作者の手の内に惹き込まれていました。史実と創作の境は消え物語の中に臨場しているのです。
ゴーギャンの名作「我々はどこから来たのか…どこへ行くのか」から
ダン・ブラウン「オリジン」
を思い起こしました。スペインのカタルーニャが舞台です。モンセラットの丘の修道院の図書館のすばらしさ等 ミステリーの本筋と相まって魅力を放つ世界に圧倒されました。
スペインのこういう背景があってこそ
カルロス・ルイス・サフォン「風の影」
の忘れられた本の墓場は生まれたのだと納得しました。
自分の中に 本の地図ができていきます。その中に拠点となる街のような存在の本の群 (或いは島)がいくつかあり、そこからまた 四方八方へ本の道は延びていきます。その蜘の巣のごとき隘路は自分だけの世界です。
本は互いに響き合い呼び合っているように感じるのです。
響き合う言の葉光る冬の星
冬銀河きのうの吾を良しとして
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