ゴーギャン

友情とレプリカ

高校3年生のある時に級友が「はいっ」と渡してくれた絵葉書に私の目は釘付けになった。青と黄色が主に使われたその絵は、青でおそらく夜空が描かれているのだろう。星がきらめいている。その青と対比するように黄色の絵の具で光が描かれ、光の下で人々が楽しそうにお茶している。後から調べてゴッホの描いた「夜のカフェテラス」という絵だということが分かった。彼女から届いた年賀状に、「コナちゃんと私ってどこか似ているとこ

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あなたはどこから来たの?

家族や親友、恋人にいつも聞いてしまう。「あなたはどこから来たの?」「あなたはどこで生まれたの?」「あなたは誰?」

人によって反応は違うけど、よく「禅問答みたいだね」と言われる。

私があまりにもしっこく、何度も聞くから、大抵の人は呆れてしまったりする。

帰省するたびに、歳の離れた妹に「〇〇はどこで生まれたの?」と聞いてしまうのだけれど彼女は決まって「○〇県立医大で生まれたんだよ、何回聞けば分か

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読書メモ 3「創造的進化」

ベルクソン「創造的進化」を読む。
「無秩序」という言葉を捉えるにあたり、
著者の強烈なワンツー、
二十世紀初頭の、時間軸を突き破り
紙面から飛び出してきたパンチライン。


「無秩序の観念は精神が自分の要求に外れた秩序にぶつかって、これは今のところ自分の関知しない、その意味で自分にとっては存在しないものだ、と知ったときの失望を言語の便宜のために客体しただけのものとなる」


「無秩序の観念はは

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名画のワインリスト Paul Gauguin / 白いテーブルクロス × ガメイ

今回は、ゴーギャンの回をご紹介。ゴーギャンといえば、極彩色で描かれたタヒチの女たち・・ですが、それだけではないんです。こんな繊細な作品を残しています。タヒチの女たちだって、細部をよくよく見るとその筆跡は繊細だったりします。その筆さばきを、ここでは存分に見ることができます。

ワインは、ガメイということになっています。この作品はポン・タヴァンというフランス北西部で描かれましたが、同時にロワール地方と

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デヴィッドボウイと季節

――夢だから、猶生きたいのです。
  あの夢のさめたように、
  この夢もさめる時が来るでしょう。
  その時が来るまでの間、
  私は真に生きたと云える程
  生きたいのです。
  あなたはそう思いませんか。
  (芥川龍之介「黄梁夢」1917.10)

――僕の右の目はもう一度
  半透明の歯車を感じ出した。
  歯車はやはりまわりながら、
  次第に数を殖やして行った。
  僕は頭痛がはじま

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GauGAN

画像生成の深層学習のデモが公開されている.

試しに娘に絵を描いてもらった(というか自動的に生成された).冒頭の絵がそれだ.

スタイル転移も搭載されている.

ゴーギャンの絵の途中の層でのペナルティを付加するものだ.これは,MITの連続講義に開発者が招待されていて,その講義で知った.

元になる講義はこちらで,Sesson5 のLearning and Perceptionというのがそれだ.(講

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vol.48 サマセット・モーム「月と六ペンス」を読んで(金原瑞人訳)

「月」と「六ペンス」という対比に惹かれ、読んでみた。
1919年に書かれたこの作品、100年経った今でも、イギリスの歴史的大ベストセラーとのこと。

この小説、ポール・ゴーギャンをモデルにしているらしい。パリで出会った画家「ストリックランド」に興味を持ち、作家の「わたし」が語り手となり、死後に名声を得た人物の生涯を書いている。とても風変わりな伝聞伝記小説だった。

それにしても「ストリックランド」

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ゴーギャンまわり覚え書き,楽園ビジネスの叫び...

言葉とは決して簡単なものじゃない、扱いにとても困るもの。大切なことはそうそう、言わなくていいことなのだ。簡単に言えることではないからだ。その言葉はどこまでも磨かれるべきだろう。磨きすぎて、無くなってしまってもいいくらいに。

つい昨日の短い投稿でもそうだが、なぜゴーギャンに再三、ちょこちょこ戻るかというと。まずはゴーギャンからナビ派が現れ、マティスやブラマンクのようなフォーヴ、カンディンスキーのよ

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ピーター・ドイグのゴーギャンからの影響は、言われてみるとなるほどゴーギャンばっかりだ。ゴーギャンの生涯は、自身の幼年時代と両親の影を追いかけたところがあると思う。反体制派のジャーナリストだった父は家族を連れ亡命する途中の船内で死没。ゴーギャンは渡航先のペルーにて4歳まで過ごした。

ゴッホとゴーギャンのことを思い出したので感情をそのままに書いた文

ゴッホとゴーギャンの話、してもいい?
これは私の覚えてる範囲だし何も文献とか読まずに書いてるから誇張とか間違いがあると思う、でも上野でやってた「ゴッホとゴーギャン展」、あれは本当に胸がいっぱいになる展示だった。
ゴッホとゴーギャン展で見たものは二人の映画みたいな悲しい愛の話だった。音声ガイドが人気声優で、まあ要するに「そういう」関係性に重点を当てた売り方でやってたんだろうけど。まんまとそこに乗っか

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