すきなこと

だっこ、キス、それからきみの胸に顔をうずめること

一緒の食事をつつくこと、あーんで食べさせてもらうこと

お出かけ、デート、買い物、外食、お茶、手を繋いで歩くこと

男女の体なら腰を抱いて歩くのがぼくのスタイル

肩をぎゅってするのなら、映画館でできるのかな

ああ、女の子に生まれたぼくが悪い

こんなにもきみのことを物足りない思いにさせてるなんて

きみの愛情がないとぼくはもう死んでしまうのかもしれず

食事すら取らないで、部屋の中で死んだように眠っているだろう

きみに見つめられなくなったなら、誰とも会おうとしなくなってしまうだろう

きみの愛妻弁当さえあれば、ぼくは熱をおしても働くかもしれない

旅行は行きたいけれど、乗り物が嫌いだからだめ、憂鬱になってしまう

きみのくれるものは、自販機のコーヒーでさえもプレゼントになる

ハンドルを握ってるきみのキスを横から盗むのもすき

事故を起こしたいんじゃなくて、いたずらするのが大好きなんだ

「もう~!」って怒るきみが最高に可愛いから

きみと並んで手を繋ぎながら語らうとき、抱き合って幸せを満喫するのも好き

きみの中で子宮の言葉を聴きながら快楽に溺れるのも俺は好き

だってきみだから、きみでないといけないから

そのきみがぼくのことを愛してくれているのなら、そこはどこでも天国になる

ぽらりすはどこにもなく、どこにでもあって、どこへでも行けるまほうのふね

あとはこの体がぼくの容姿のままだったら

たとえ路上であれぼくはきみとキスを交わすことを厭わないだろう

たったそれだけのことが、ぼくからすべての自信を、勇気を奪っている

ぼくが男でないこと、ただそれだけがぼくの障害

きみのふわりとした雰囲気がすき

きみの照れた顔がすき

赤くなって俯くのを見るのもすき

高い声でぼくを呼ぶのを聴くのもすき

ぼくのためにエプロンをつけて台所に立つ、その気持ちはいかに?

想像しただけでぼくはじいんとなってドキドキしてしまう

ああ、ぼくの奥さんなんだと、心がそうなんだと、ぼくは思う

きみのおにぎりを想像しながらコンビニの飯を食べるのも、嫌いではないけど

やっぱりきみのホカホカのごにゃんには遠く及ばないんだよ

ふたりで手を繋いで歩いた道もすきになった

ゆうやけ、朝もや、空気のにおい

ぼくはきみの佇まいもだいすきだから、きみのことを遠くからわざと見つめる

そしてすこしさみしくなるんだ

これ以上書けないから、ここまでにするよ

ぼくのなかにきみが溢れて苦しいです

いとしくて、こわいほど