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番外編 俺とマーダーロッジ@東京ジョイポリス

ギミック満載 普通にビビるぞ

体験日:2024年3月23日
ビビったセクション:皿破壊

 い先日東京ジョイポリスで遊ぶ機会があった。目的は未乗車だった”撃音ライブコースター”を体験することだったワケなんだけど、せっかく遊びに来たんだし…ということでコースター以外のアトラクションもいくつか体験することにした。その中で強烈にインパクトが強く、なんならコースターより度肝抜かれたアトラクションであるマーダーロッジについて、ネタバレ満載のレビューを書いていこうと思う。

ジョイポリスに並ぶ人たち いわゆるポリスメン

 のマーダーロッジ、名前の通り殺人鬼がうろつく山小屋での惨劇を音声で体感するアトラクションで、いわゆるサウンドホラーと呼ばれるタイプ。音声だけかよ!!と突っ込まれたらそこで終わってしまうのだけど、そこはセガ。音声と並行して様々なギミックを駆使して我々をビビらせてくれるというワケ。ウォークスルータイプのお化け屋敷のように場所を取らず、設置面積も比較的コンパクトということもあってか、かつては全国各地のセガ系施設に置かれた汎用機種だった(※1)。

1996年、新宿ジョイポリスで初登場した際のマーダー 身も蓋も無いコメントだ[1]
大阪セガアリーナパドゥー版 ロッジと言うよりかは神殿みたい[2]
こちらはクラブセガ横浜版 ルスツにあったマーダーとよく似た外観[3]

 人的な話をすると、サウンドホラーと言えば真っ先にスーファミの”かまいたちの夜”を思い浮かべる。中学時代、夜中こっそり起きてヘッドホンを付けながらブラウン管で遊ぶ初代かまいたちは、それはまあエッチなビデオを見るくらいにドキドキしたものだ。犯人はアイツじゃん!と、現場状況から何となく察することはできるもののトリックの決定打が無く、俺の的外れな推理でどんどん犠牲者が増えていく状況は、子供心ながらになんだか申し訳ないことをしているな…と複雑な心境でプレイしたことを思い出す。

 ウンドホラーを銘打っているだけあって、スキーストックで刺された時や立て付けの悪いドアを開けた際など、おどろおどろしい効果音満載だった。スーファミの若干ノイジーな音源と相待って、中学生男子をビビらすには十分な迫力だったことを覚えている。なので、トリックを暴けなかったと言えど、かまいたちをプレイ済みだった俺からしたら正直そこまでビビるようなアトラクションじゃないだろと、少し舐めていたのだった。まあ、普通にビビり散らかすことになるんだけど。ガハハ。

傑作推理アドベンチャー 犯人は付け髭のアイツだ

 アトラクションについてここからネタバレ全開でレビューを書いていく。設定としてはセガが主催する山登りツアー参加した我々が、嵐に見舞われてしまい、ガイドが偶然発見した山小屋に避難する所から始まる。山小屋内部に入るまでにガイド役の姉ちゃんが小芝居をしてくれるのだが、結構しっかり目に演技してくれるので没入感アリ。

あくまでツアー参加者と言う扱い

 居が終わると小屋に案内される。ここで、「小屋の管理人が居ないか探してきます!」と、ホラー映画だったら真っ先にやられる被害者ムーブをしながらガイドが退場。その際に、「私と連絡が取れるように無線機を準備しました!」と、人数分のヘッドホンを装備するように促される。どうやってこの状況からヘッドホンをさせるのか…と思っていたので、自然な感じでアトラクションがスタートして好感が持てた。ただこのヘッドホン、音量調節機能が無い。テーブル下からケーブルが伸びているだけでボリュームのつまみが何も無いのだ。ま、音量調節くらいはできるだろと思っていた為に不意を突かれてしまった。鼓膜逝くぞ。

超雑なイラスト 内部はこんな感じ

 声が始まると部屋内部が完全に暗闇に包まれる。ジョイポリスのホームページでは、下記のような写真が掲載されており、あたかも間接照明が照らされた室内で音声を聞くような表現になっている。が、実際には完全に消灯状態で音声を聞くことになるのだ。この写真から勘違いする人が多いのではないだろうか。マジで視界ゼロ。初めて体験したときは普通に停電かと思った。は?

こんなん勘違いするだろ!

 る恐る耳を傾けていると、小屋を管理してるジジイの声が聞こえてくる。こんなヨボヨボになっても飯を食っていくため仕事をしないといけないのか…(涙)と、自分の将来に一抹の不安を感じながら聞いていると、暗闇でお皿が割れる音が炸裂! そしてテーブル下から放たれたエアーが体を直撃! 爆音とエアーのダブルパンチを喰らってしまい、まあまあデカめの声で叫んでしまった。恥ずかしい。

 、ここでラジオの音声がフェードイン。近くで殺人事件が発生しその容疑者が逃走しているというのだ。絶対コイツ来るじゃん…と身構えていると案の定ドアを思いっきりぶっ壊してソイツが登場。勿論、実際にドアをぶっ壊して入ってきているわけではないのだが、音声だけでここまで迫力を出すのは凄い。ここでジジイが急変し『今日は獲物が沢山きてますよ…ケケケ』と見事なスネ夫ムーブをかましてくれる。やっぱり我々は獲物だったらしい。ジジイ、嘘だよな…?

 人鬼が登場してからは怒涛の展開。スネ夫ムーブが目障りだったのか、あっけなく殺されてしまうジジイ。ジジイが斧で殺されたと同時に凄まじい断末魔が耳を劈く。そして自分が座っているイスも何故か前後方向に振動。こんなん漏れますよ。

 して最後は自分にロックオン! 『次はお前だ!!!!』のボイスと共に斧が空気を劈く音が頭上で聞こえたかと思うと、椅子が数センチほどガタっと下がるのだ。USJに昔あったバックドラフトのオチみたいで、身構えてないとバランスを崩してしまいそう。イスが落下したと同時にロッジ内部が青と赤のパトランプで怪しく照らされるのだが、ふとテーブルの皿に目をやると斧で切断された頭部が!! いやホント心臓に悪いっスよ。

無事生還

 界が完全に閉ざされた状態で急な爆音や様々なギミックが襲ってくるので、人によっては一般的なウォークスルーのお化け屋敷よりも苦手だと思う。内容としては5分少々ではあるが、ただでさえ耳を研ぎ澄ませている状況でビビらしてくるので、かなり体力的に消耗すること間違いなしだ。現にこの日はデックスお台場にある”台場怪奇学校”という日本で1、2位を争う最恐お化け屋敷にも挑戦したのだが、クソデカい声で叫んだのはマーダーの方だった(※2)。勿論、台場怪奇も今まで体験したお化け屋敷の中でトップレベルに怖い思いをしたのだが、マーダーのように視界を完全に封じられていないし、耳元で爆音が鳴り響くことも無い。個人的に、音とギミックで勝負するマーダーは、アクターが出てくるお化け屋敷に負けずとも劣らない傑作ホラーアトラクションだと感じた。 


注釈
※1 マーダーが96年に新宿へ登場する以前には、グランディッシュの館や聖サスペリオ女学院(風俗店ではない)などの類似機種を設置していたセガ施設が多かった様だ。特に横浜ジョイポリスではマーダーを導入した上で上記2機種も同時稼働させていた時期があったようなので、さながらサウンドホラー地獄の様相だ。嫌すぎるな。

設置アトラクションの3割がサウンドホラーなのか…[4]
福岡ジョイでのロケーション[5]

※2 後日、某お化け屋敷主催の方と台場怪奇学校に行く機会があった。感想を聞かれ「僅差でマーダーの方が怖かったっす!」と言ったところ、まあまあデカめの声で「は?」と言われてしまった。いや、台場怪奇も怖いんですよモチロン。台場怪奇はゆーきさんのレビューをチェケラ↓

引用
[1] "ALL ABOUT SEGA AMUSEMENT THEMEPARK", セガマガジン 1997年3月号, Vol.5, P.21
[2] "大阪パドゥー、セガアリーナ誕生", セガマガジン 1997年4月号, Vol.6, P.23 
[3] "京都ジョイポリス誕生 ~複合型アミューズメント施設の検証" セガマガジン 1997年9月号, Vol.9, P.15
[4] "ALL ABOUT SEGA AMUSEMENT THEMEPARK", セガマガジン 1997年3月号, Vol.5, P.17
[5] "ALL ABOUT SEGA AMUSEMENT THEMEPARK", セガマガジン 1997年3月号, Vol.5, P.18

 


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