見出し画像

俺とサンダードルフィン@東京ドームシティアトラクションズ

もう乗れない旧車両の思い出

初乗車:2017年
好きなセクション:ライドフォトキャメル

 更俺がどうのこうの書こうが、巷にはサンダードルフィン(以下サンドル)のレビューや紹介文など死ぬほど溢れている。ただまあ、前回の更新から2か月が経過し、”とりあえず月イチで更新していくぞ!”と意気込んでいた目標があっけなく崩壊。といっても何かnoteを更新できるくらい写真を撮ったコースターのストックも少ないし、ここ連日の猛暑で、ちょいと未乗コースターでも体験してくるか!という元気もない。

 温がアツいと車輪のグリスが馴染んでコースターの平均速度がアップする、というマニアの共通意識があるが、人間はアツければ熱い程動きが俊敏になるとか、移動速度がアップするという便利な生き物ではない。人間はコースターではないのだ。ということでクーラーガンガンにした部屋でぬくぬくと手っ取り早く感想文が書けそう、かつ、写真のストックも豊富な旧車両時代のサンドルでも書いてお茶を濁そうという魂胆だ。

 楽園ゆうえんちの再開発が行われた2003年に、目玉のコースターとしてオープンしたサンドル。都内の一等地、かつ、郊外にある遊園地よりも格段にバカ狭い敷地に50mオーバーのコースターを作るか…と決断した当時の三井不動産の偉い人もアグレッシブだが、設計を担当したStengel GmbH社も、よくまあこの土地にフィットするよう計算したと思う。俺が担当者だったら無理難題過ぎて、ちいかわみたく泣いてたね。(※1) ワッ…

はんぺんの横にある、三角コーナーみたいな土地 狭いわね[1]

 高部80mということで、現状日本2位、そして地味に世界ランク10位の高さを誇っている。全長2000mオーバーのスチールドラゴンが97mということを考えると、1000m弱のサンドルが80mってだいぶ物理エネルギーを無駄にしてないか?と思わなくもない。

デッッッッッッッッッッ

 り場に向かうと通常レーンとスキップパスレーンで別れて待機となる。旧車両時代は~700円で待機列をすっ飛ばすことが出来たのだが、リニューアル後は1000円にアップしていた。時代の流れ。悲しい現実。単体利用券も1500円とCDマキシシングル以上の価格なのに、ついでにスキップパスも利用してやるか、という客がどれだけ居るか分からない。しかし”足元みやがって…”と思いつつも、苦虫を嚙み潰したような顔をしながら課金する俺が簡単に想像できた。

乗り場
完全に前詰乗車 自由座席は超閑散期以外ないと思う

 両はカワセミでもおなじみの、平べったく開放感のあるアレ。兄貴分のMillennium ForceやRide of Steel系の車両と比べるとインタミンのメガ・ギガ系車両では第2世代のデザインなのかなと思う。どうなんですかね。

参考画像:Ride of Steelくん

カッコいい だいすき

 タッフの安全チェックが済むと、乗り場にあるライドフォトで記念撮影。写真撮影ポイントは後述するキャメルバックとここの2か所。日によってはどちらか1か所が撮影されてないことがあった。キメ顔でキャメルバックを通過した時に撮影されていなかった時はもうね…

ビバ!行ってらっしゃ~い

 き上げはインタミンお得意のケーブルリフト方式。爆速で地上80mまで登っていくので毎回のように悲鳴がどこからか聞こえる。また、狭い土地で十分な高さを稼ぐため、巻き上げ角度が45.5度とかなりの急勾配。旧車両時代は背もたれが低かったので、少しばかり首に負担が掛かる感じがした。

急角度で巻き上げ

 に乗ると巻き上げ中の夜景がなんとも綺麗で、東京ドームのライトアップや目の前に見える高層ビル群の灯りに、おセンチになること間違いなし。”キャ~夜景が綺麗!” "フッ…君の方が綺麗さ"、と言うしょーもないやり取りが過去何回も行われたかと思うと嫉妬で枕を濡らす日々。俺の横いつでも空いてますよ。

白飛びしがちな失敗写真

 高部に到達すると、お腹のラップバー1つで都内の空に放り出される。傾斜は74度になるのだけど、乗ってる方からしたら完全に垂直落下。落差だけ見ても66.5mとバンデットの1stよりも距離があるため、どの席に乗ってもエアタイム体感時間が長い。”あぁ俺はこの快感のために生きてるんだなぁ”と、相田みつをのような感慨にフけながら毎回落下していくのが楽しくてしょうがなかった。

GO!
歩道橋から 豪快な1st

 1stドロップを下ると、一気にラクーア上部へ上昇。MAXスピードまで加速してからの上昇はかなり重力が掛かる。さすが4.39G。サンドルで一番キツイ場所だ。

ハンズアップしてると2週目のレールに当たりそうで怖い
大きく旋回

 クーア屋上で申し訳程度のキャメルバックを展開。このキャメル、致命的に浮かない。絶対浮きそうじゃんという形状をしているのに、致命的に浮かない。先頭に乗ったとしても悲しい程浮かない。そしてラクーア上部の写真が無いので説明がしづらい。

 かないキャメルをそつなくこなすと、ラクーアにぽっかり空いたデカい穴を高速で通過。穴に突入する前に再度上昇、右に車体を大きく振りながら突入するため、横の落下防止ネットに当たりそうでちょっとヒヤッとする。また、園内で一番目立つポイントだからか、この輪潜りポイントを眺めてる人も多い。1st直後よりも重力があまりかからないので、乗車中は全然知らん人に向かって手を振っていた。こういうので良いんだよ遊園地は。

穴抜け
スターバックス側から 結構な傾斜

 上昇し、ビッグオーの真ん中をブーメランターンの如く通過。バンク角は90度あるんじゃないだろうか? 東京ドームを正面に見ながら、完全に視界が横を向く。

園内から
真下から
アップで こうして見るとバンク角すげー

 ッグオーの輪潜りを終えると、コースターは後半戦に突入する。ブーメランターンから降下した勢いそのままに、極小キャメルバックを高速で通過。ここが好き、と言うマニアも多い箇所。俺もここが好き。特に先頭に乗ると、かなり綺麗にそして長時間エアタイムを楽しめる。ライドフォトも右側にあるので、涼しげな顔でばっちりカメラ目線を決めたいところ。(※2)

ラクーア2階から
スターバックスから

 イドフォトキャメルを超えると、もう1回ラクーア屋上へ上昇。ここで先頭限定にはなるのだが、屋上へ上り切った瞬間にボンッと突き上げられるようなエアタイムを感じることが出来た。完全に思い出補正の可能性大だが、新車両より旧車両の方が浮きが強烈だったように思える。ホントに一瞬だけだったが、”あ、そこ浮くん!?”という意外性が良かった。新車両になってから体の固定方式が変更になったので、そこで浮きの感じ方に違いが出たのかなと思った。(※3)

ラクーア屋上へ(2週目)
この瞬間、浮いてます!(先頭限定)
かなりの急旋回

 2回目のラクーア屋上では、今までの勢いとは裏腹に失速。申し訳程度にうねうねとレールを捻っているが、あまりにもチンタラとした速度で走るため、スリルもクソも無い。強いて言えば、ちょうど目の前にスカイツリーが見えるのでそれを堪能するくらい。(※4)
 
 上の端っこまで徐行で走り切ると、最後のドロップが待ち受ける。都道301号線に向かって右旋回しながら急降下。降下したと思ったら一瞬で最終ブレーキゾーンに入るため、車両停止時にお腹への負荷が強い。こんなに加速するなら浮きそうなキャメルバックをブレーキ前に設置してくれよ、と思わなくもない。まあ、それはワガママなんだけど。

白山通りから
高速ブレーキング

 に向かってぶん投げたら水面を2,3回跳ねそうな感じの、平べったい車両でぶっ飛ばす爽快感が魅力だったサンドル。先頭に乗れば1st、ライドフォト、ラクーア2週目進入時の3か所でエアタイムを感じることが出来た。新車両でも3回浮くけれど、やはり側面のアクリルパネルと、パルパル四次元か!と言いたくなるほど背もたれの高い車両を考慮すると、やっぱり旧車両の方が楽しかったんじゃないかなと感じた。なので、この素晴らしいライドエクスペリエンスを後世に伝えるべく、今日も東武動物公園のベンチに座っては”昔は、東京ドームでもカワセミと同じ車両に乗れたんじゃよ…”と、子供に煙たがられる胡散臭いジジイごっこでもしようかと思う。

旧車両ラスト日の受付案内パネル 哀愁

注釈
※1 実際のところ他部署からワケ分かんねえ内線が飛んでくると、ちいかわみたいな対応になりません?

※2 ライドフォトには夜間撮影用の巨大ストロボが併設されている。開業当時はコニカミノルタが協賛していたので、てっきり特注品の撮影機材でも使用しているかと思っていたのだがそんなことは無かった。使用されている機材はUNILUX社のBIG SHOTというライドフォト専用品らしい。

この業界ではデファクトスタンダードのようで、海外のPOVなどを見てると結構BIG SHOTくんが写ってたりする。人気のストロボらしくコースターの規模によって複数のシリーズがあるようだ。ちなみにサンドルに使用されてるのはHE250という中~大型コースター向け機材。ただ、新車両へのリニューアルでライドフォト販売は無くなったようだ。悲しい。

夜間走行 死ぬほどBIG SHOTが眩しい

※3 今年3月にデビューした新車両。インタミンの比較的新しい車両に変更となったのだが、前述したアクリルパネルや背もたれの高さから旧車両と比べると窮屈度合いがアップ。安全バーは、よみランのルナのように腰回りでガッツリ固定される方式へと変更。説明がなんともし辛いので、下記画像からなんとなく開放感の無さを読み取って欲しい。

新車両 股間の突起がデカい

※4 でも、2003年頃撮影されたサンドルPOVを見ると、落下防止ネットも存在しないので結構怖そうに思える。

画像引用
[1] 出典:国土地理院撮影の空中写真(2009年撮影 CKT20092-C57-12)





 


 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?