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『ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もあります。 京の絵画と敦賀コレクション』 府中市美術館


な、長いタイトルだ、、、。

このタイトルを考えた学芸員の金子さん自身も
「2時間ドラマみたいに長いタイトルになりました😅」
っておっしゃってたけど、ほんと!それ!!!!

でもこの長いタイトルに金子さんの想いがつまってるんだよね、うんうん。

だから長くても良し!!!!(何目線?)


2019年に東京都美術館で開催された『奇想の系譜』という展覧会が発端で生まれたのが、この企画展らしい。

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金子さんは
「奇想」という魅力は「そうでないもの」、つまり「ふつう」があって初めて成り立つのではないか
と、この展覧会を企画。


「強烈で奇抜なのではなく、当たり前に誰もがおだやかで美しいと思えるものを「ふつう」とした」


【奇想の系譜】に対して【ふつうの系譜】といつタイトルについては
「対抗してのタイトルにしたので、都美さんに怒られないかハラハラしました😅」
って金子さん。
大胆なんだか小心なんだか笑

2020年に開催されたものの感染症対策のために途中で閉幕してしまったもの。

今年やっと再開催!!!!㊗️🎊

公式HPはこちら⤵️


というわけで府中市美術館!!!

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美術館のある府中の森公園にはまだ満開の桜も🌸


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いつものように正面口から入ると、、、あれ?

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いつも展覧会の大きいボードがあるのに
今回はなんか違うぞ。

と近づいてみると、、、、

今回の展覧会は、敦賀市立博物館の江戸絵画コレクションから多くの作品が来ているということで、敦賀と府中の共通点である新田義貞についてのボードになってるんだね。

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イラストが、長田結花さん💕
蕪村展でも可愛いらしいイラスト描いてらした方だー!

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きゃわたん💖


、、、、って、あれ?
裏側に謎の黒カーテンの部屋が。
これ入っていいの?

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え、、、

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あ、入っていいんだ?!

じゃあ、失礼しまーーす。
ぺら。

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、、、ん?んん?浮世絵???

歌川国芳
『新田左中将義貞 十六騎の英雄と倶に兵庫おもてに出張して 尊氏の六十万騎と戦ふ図』(大判錦絵3枚続き)

なんで黒カーテンの部屋に入っていたのかは謎。

正面ロビーはガラス張りで陽射しいっぱいだから
絵画を光劣化から守るため?かな?

結果面白かったから良し!(何目線?)



さて、いよいよ2階の展示室へ。

「ふつうの系譜」として、土佐派・狩野派・円山四条派などを時系列順に巡るからわかりやすい✨


①専門は「まろ絵」/土佐派とやまと絵

「まろ絵」は造語だそう。
でもなんか伝わる。わかりやすい☺️

「国風文化」とも言われるが
漢字から「かな」が生まれたのと同じように
中国の絵から一歩進んで、日本独特の絵が生まれた。
これが「やまと絵」

タイトル画にもなっている
土佐光起「伊勢図」

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これが伊勢さん。(ワンコは関係ない)

「伊勢図」は背景は全部墨絵。
墨だけのモノトーンの世界の中に、佇む伊勢だけが色鮮やかに描かれている。

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実際の「伊勢図」の中の伊勢さんはほんの数cm!!小さい!!
なのに、きものの柄など細部まで緻密に描き込まれてて。
単眼鏡必須案件です!!!!

金子さんが詳しく姫について解説してくれてます!⤵️




②専門は「中国を見せること」/狩野派

中世 鎌倉時代から室町時代にもうひとつのスタイルが登場。
それが「漢画」

漢画(水墨画)という出来上がったスタイルを踏襲したのが、狩野派。

★あくまでも1つのスタイルを維持することを大事に。
★先人のお手本に忠実に。

狩野家は「粉本」という独自のお手本を持ち、
それを見れば誰もが「狩野派スタンダード」を描けるようにした。

狩野家の粉本主義ついては、トーハクの「木挽町狩野家の記録と学習」で学んだなあ。


金子さん「その場の格式を作り出すこと。
その絵を置いただけで部屋がグレードアップして見える、、そういうのを作り出せるのが狩野派だと思う。」

前期展示は
狩野探幽「観音・鯉図」
狩野栄信「菊慈童・菊図」


③「斬新」から、あっという間に「ふつう」へ/円山応挙と円山四条派

人間の目で見たものを描く。
狩野派の粉本主義とは真逆の新しいスタイルを確立したのが円山応挙。

絵画の世界をひっくり返すほどの新しいことをしたが、それがなぜ「ふつう」なのか?

それは、
★誰が見ても美しい絵を描いたこと。
★それを多くの弟子に継承したこと。
★それが世間に拡がり「美しい」のスタンダードになったこと。
➡️つまり「ふつう」になった。

円山四条派には可愛いどうぶつの絵がいっぱい。
展覧会には応挙犬も芦雪犬もいるよ🐶💕

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④「パーフェクトな形」/原在中と原派

まるで定規を使って描いたのではないか という位真っ直ぐな水平線。
ブレのない美しい構図。


⑤「奇想」と「ふつう」の間/岸駒と岸派

岸駒「猛虎図」

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脚がふわふわで可愛い💖
顔はくっきりと、体はふわっとした輪郭で描いている。


この展覧会、前期と後期でガラッと替わる。
それだけ敦賀市立博物館所蔵の名画を惜しみなく見せてくれるってことで。
ありがたしーー!!!


さて、展示室を出ると、、、
府中市美術館名物の体験コーナーが🎉🎉🎉

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「お顔をぽん! 20秒で作れる 姫のしおり やさしく押してね」にチャレンジ!!

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まず、目と口の描いてない姫を1枚とる。
おひとり様1枚まで だから失敗できぬ!!!

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この妖怪のっぺらぼうみたいな姫に

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まず右側の目を

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このハンコすごく小さい💦
押す時に自分の手で隠れてしまう、、、
えーい!ままよ!

ぽん!

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あ、思ったより上手くいった感✨

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わ、左側の目は右より小さい💦

ぽん!

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段違いにならなかった!!!よしよし!

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次はくちびる👄

「引目鉤鼻(ひきめかぎばな)」というのが平安からある美人図の描き方。
さらに土佐光起は「口は真ん中より上におく」と教えていたそう。

だから少し上の方を狙って、、、ぽん!

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あ!いいんじゃない?(私にしては)
上出来~~(私にしては)

お姫様のとなりにワンコしおりも!!!!

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ワンコのハンコめちゃくちゃ可愛い!!
このハンコが欲しい!!

ぼん!

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可愛い可愛いよく出来た!(私にしては)


さて次は「すいぼくトラぬり絵」にチャレンジ!

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え、急に技術力を求められるチャレンジになるんですけど💦

とにかく水筆で濡らしながら、筆ペンと薄墨筆ペンで虎のしましまを描くのね!わかった!

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完成、、、、、うーーーん、、、

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いやでも、まあまあ上手くいったのでは?
私にしては👍✨

結果はこうだけど、にじませて描くの楽しかったなー!


よーーし!ランチにしよう!

府中市美術館内にあるカフェ 府中乃森珈琲店

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コラボメニューの「ふつうのランチプレート」

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芦雪犬を添えて✨

美味しかったー!
特にここのピクルスが好きなんだよね~🤤

そして今日はお店のインスタで見てからずっと食べたかった念願のプリンを注文🍮💕

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ビジュアル可愛いーーーー💕

少し柔らかめの固いプリン(伝われ)

プリン本体は甘めで優しいお味。
カラメルが少し苦くて、バランスが良い!!
美味しい幸せ〜〜🥰


さて、腹ごしらえしたところで、金子さんの講演へGO🏃🏻💨💨💨

講演は美術館ではなく、すぐ近くの生涯学習センターの講堂。

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『「ふつうの系譜」の歴史と魅力』

まず、敦賀市立博物館学芸員の加藤敦子さんのターン。
『「ふつうの系譜」の画家たちと敦賀』

★敦賀はどんなところ?
北陸地方とはいえ京都に近い。

★「ふつうの系譜」の画家たちと敦賀
橋本長兵衛(曽我派や狩野派の影響)
内海元孝(応挙と芦雪に絵を学ぶ)
など、敦賀ゆかりの画家について。

橋本長兵衛については加藤さんがブログをあげてくれてた!


前回「ふつうの系譜」に貸し出した作品が返ってきた時に「ふつうの系譜 おかえり展」という展覧会をしたらとても好評だったそう。
面白い企画をされるなー加藤さん🤣

今回も数々の敦賀コレクション、素晴らしかったです✨


そして次は金子さんのターン。

今回の展覧会について、作品についていろいろ話してくれたなかで、印象に残ったのは
「ふつう」の定義。

「ふつう」は未来永劫のものか。

例えば。
日本画を古代エジプトの人が見たらどうか。
逆に古代エジプトの「ふつう」の文化を見たときに、私たちはきっと「ふつう」とは思わずに「珍しいなあ」と思うだろう。

また、若冲が入口で日本画に入った人のなかには
「若冲が「奇想」とは思わない」という人もいる。

今回の展覧会では

「ふつう」の美の響きとして
★多くの人が「綺麗」と言える美しさ
★あるひとつの美を多くの人が楽しめる
として定義してみた、と。


最後は加藤さんと金子さんの対談。
これが面白かったー😆

この展覧会で代表する絵を選ぶというお題
金子さんが選んだのは、円山応挙「狗子図」
加藤さんが選んだのは、土佐光起「伊勢図」

金子さん「私、今「ある状態」にあって、応挙の犬について語ると2時間くらい語ってしまうんですよー!」
え、待って、、それどんな「状態」?!😳

そこで突然!金子さんが拾って育てているというワンコの写真がどどーーんとスクリーンに!!
可愛ええええええ🐶💕

応挙のワンコの後ろ脚と、金子さんのワンコの後ろ脚が同じような感じになってて!
可愛いポイントの比較になってた!

敦賀の応挙の絵の入れる箱には「犬」と書いてあるそう。
これこれ!!⤵️

この箱も後期に展示するそう!
見逃せぬ😆💕


加藤さん「私が選んだのはポスターにもなっている土佐光起の伊勢図です。」

金子さんが今回の展示作品を敦賀コレクションから選んでいた時、最初の時点で「伊勢図」は選ばれていなかったそう。
見落とされてる!と思った加藤さんが「あの、これも、、、」と推したという。
金子さんの完全な見落としだったらしい🤣🤣🤣
よかったー!加藤さんが推してくれて!!!

ほかにも敦賀はソースカツ丼が美味しいとか
楽しいお話たくさん聴けて、無料でいいんですか?これ!状態だった🥰


最後には府中市美術館の来年の告知が!!!!

『春の江戸絵画まつり 江戸絵画お絵かき教室』
2023/03/11〜2023/05/07 開催決定🌸

楽しみーーーーー!!!!!!
2023年も期待しまくりでっっす✨


そしてもちろん「ふつうの系譜」の後期も楽しみ!!

後期:04/12(火)~05/08(日)

2度目はチケット半額だから、
今回のチケットを忘れずに握りしめて行かなくては!!!!!


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