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4月3日

一人だとチャーハンばかりつくってしまう。
とりの胸肉を解凍する。胸肉は手や包丁がベタベタしなくていい。もも肉みたいに触っても脂が手につかない。

小さめに切ってフライパンで火が通るまでコロコロ転がす。白くふっくらしてきたら醤油をふりかけて煽って皿にあけておく。
一度フライパンを洗う。熱い鍋底に水をかけると痛むらしい。でも冷めるのを待つのは面倒なので、ひっくり返して裏側に水をかけて冷ましてみる。裏側は傷んでも大丈夫だろう。
フライパンに油を引き直してけむりが出るまで熱する。油が水のように滑らかに鍋底をはしる。
そこへといた卵を一気に落とす。あっという間に黄色い湖が沸いて固まってゆく。すぐにご飯も落としてヘラで混ぜる。ここで素早く混ぜないと卵が焼けすぎてしまう。
そうなったら台無しだ。卵の艶が美味しいのだ。が、ヘラがないことにそこで気がつく。ヘラを出し忘れている。そしていつもしまってるところにない。全然違う引き出しに入っている。「あららら」とか言いながらギリギリ卵がかたまる前にフライパンにヘラを突っ込めた。
あとはもう強火で煽りながら、塩、刻んだ青ネギ、皿にあけておいた胸肉をどんどん放り込む。フライパンに食材を入れるたびに、卵の甘い、ネギの青い、胸肉の醤油こげした匂いがたち現れる。
一人で食べるから味見はヘラを舐めてする。やっと塩を入れすぎない分量を覚えてくる。
いい色のチャーハンになった。まだまだ残ってる人参のナムルを付け合わせる。

家にいくつかスプーンがあって、その中で気に入ってるものがある。でも別にわざわざ選ばない。適当に手に取る。今日は気にいってるやつだった。それだけで少し美味しさがます。

YouTubeとか観ながら、洗濯ものを入れて、アデニウムに数ヶ月ぶりに水をやって、今日はあったかいから上着はもういらないかな、でも花見の季節は結局いつも夜寒くなるとか考えながら食べる。

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