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3月28日

起きてカーテンを開いた時点で、今日は傘が必要なんだとわかるような曇り空だった。
喜多見駅に8時くらいにはついてなきゃいけなかったから、何時に出ればいいんだろうとか思っていたら、もう出かけなきゃいけない時間になっていた。
電車で隣に座った女の人が本を読んでいた。本を読んでいる人がいると勝手に「あ、本お好きなんですね」と親近感がわく。何を読んでるんですかとか聞いてみたくなる。絶対話しかけたりはしないけど。
喜多見についたらNさんがいた。コンビニよってお茶を買ってたらIさんも現れた。結局5人くらいでぞろぞろと上の空のスタジオまで歩く。通しはとてもよかった。もっとグダグダするかと思ったけど、ちゃんと面白かったし、変で切実だった。スタッフさんも笑ってたのが意外だった。スタッフさんは通し中はテクニカルのことや、何を作品が表現しようとしているかとかを考えているから、あんまり笑ったり、泣いたりはしないのだ。
通しを終えてサクッと打ち合わせをして稽古場へ。しっかり傘を忘れる。雨にはたまたま降られなかったけど、ただ傘を喜多見に運んだ人になってしまった。
細かく返し稽古をする。人のさみしさや、人生を切り替えたときの力強さはどんなところに現れるんだろう。
それは言葉の言い方ではなく、振り返るスピードや、人差し指を握る深さやなんかに現れる気がする。やっぱり。体が嘘をついてない芝居が好きだなと思う。
飲みに行きたい稽古終わりだったが、電車に乗ってピアノを習わされててピアノ好きな人はみたことないねっとか、キャンプにいって映画を撮ろうとか話しながら帰った。
話がうまくなくて変な、何も話してない時間がよくできたが、それもまぜこぜで楽しい一日だった。
稽古場の外の桜が爆発したみたいに咲いていて、椿も一緒に爆発してて、命の門みたいになっていた。

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