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中退閥、のようなものを作れないか

学閥、というものが組織の中にはあります。同じ学校の出身者同士の派閥で、表立ってそのコミュニティで何かを行う、というものではないですが、何かあったら助け合ったり、顔を繋げたり、人事にほんのりと影響を与えたりしているようです。
僕はこの学閥が存在するような規模が大きく、かつ古い体質の組織で働いているのですが、なにぶん中退者なので、学歴的には高卒のため、今のところ声がかかった事はありません。
多分、世間的にはギリで難関校で、職場にも割と卒業生も多いはずなので、多分グループがあるのではないか、と思っているのですが確かめる術はありません。

学閥に限ったことではないのですが、仕事を進めていくうえで、オープンな場以外の場所で話が付いていて、なんだかわからないうちにコンセンサスが取られてしまう、ということがままあります。
あとは、「どこで繋がったん?」と思うような、謎人脈で、正攻法では考えられない無理が通ったり、キーパーソンの協力が得られたり、ということもありますね。
喫煙所での喫煙者同士の雑談やら、闇討ち的な飲みの場やらでそういう場外乱闘が行われるのですが、その中の一つに学閥もあるようです。

そんな場外乱闘で話が進んだり、高評価を得たり、不公平じゃないか!!と、喚き散らすような青臭さはすっかり失ってしまった僕にとっては、仕事が前に進むなら使えるものはなんだって使ったらいいし、人脈や運も含めてその人の実力だよなー、と理解はしています。
でも、自分にはそういう強力なカードが無いのは寂しいな、と思ってしまう訳です。と同時に、僕と同じように中退という黒歴史を背負って頑張っている同志も同じ思いをしているのではないか。

それなりに大きな組織で、自分が中退者であることをひけらかすのは、何とも忍びないことです。僕は中退コンプレックスは乗り越えたと思っていたはずなのに、出身校トークが始まった時には、在学していた時の思い出をポツポツと言葉少なく語ってお茶を濁したりしてやり過ごしている訳です。
そんな状態で、他の中退者を探し出して、中退者レジスタンスを結成する、なんてことは現実的ではないでしょう。きっとみんなも同じではないかな?

であれば、ネットの力を活用して、オンラインで中退者同志のコミュニティを結成して、場外乱闘のさらに外側の世界で、協力の輪が作れないだろうか。もっと言えば、中退したばかりの新参者を古参が色々面倒をみてあげる、というようなことができないだろうか。そんなことばかり考えているのです。

僕が大学を中退した十数年前、自分がひとり世の中に取り残されたような感覚を味わったものです。それは完全なる勘違いだった、と今となってはわかるのだけれど、中退者で奮闘しておられる先輩を見つけること、そして繋がることはとても困難だった訳で、そういう感覚にいたるのも無理はないのです。
そして、僕としては前途ある若者がそういった悲しみに包まれて、やぶれかぶれになって欲しくなく、なんとか駆け込み寺のような場が作れないかな、と夢想しております。
オンライン中退閥、みたいなものができたらなと。どうやったら実現できるのでしょうね。自分には求心力が全くないので、そんなコミュニティの台風の目になれる自信はまったくないのですが。困ったものです。

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