叫ぶ

お子様が急に叫ぶなどで、お困りの事や悩み事はありませんか?

うちの子の場合、静かにしなくてはいけない時、出来る時と出来ない時があります。

ただ、理解してるけど出来ないのと、理解していないから出来ないのとでは、困り具合も違ってくるように感じます。

何かの原因で大声を出している場合には、その原因を探り解決することが必要となります。

大声を出している原因は、その子の特徴や障害、場所、環境、意味、目的などにより様々ですが、「何かを訴えているのか」「何かが嫌なのか」「不安やストレスなのか」「声を楽しんでいるのか」など普段の行動や大声を出す環境などから調べていく事が重要です。


大声を出している原因や要因が特定できれば、その対処方法や代替手段などを提供したり、対応を教えて成長するチャンスにもなります。

【考えられる理由】

・嫌いな音を掻き消そうとして

自閉症や発達障害のお子さんには、音や刺激などの感覚を必要以上に感じてしまう『感覚過敏』という特徴が有ります。            この中でも特に音に敏感だと『聴覚過敏』と呼ばれます。
聴覚過敏になると、特定の音を嫌がってその場から離れたり、騒がしい場所で耳をふさいでしまうなどの行動をとる事が見られます。      また、嫌な音を掻き消そうとして、大きな声を出すことも有るそうです。

この嫌いな音を掻き消そうとする行為として、大声を出す事があり、その場合には耳を押さえて声を出すことが多いです。

また、嫌いな音ではなくても、怒られていたり注意をされている際に、自分に都合の悪い事を聞きたくないという意味で、大きな声を出す事も有ります。

・声を出すこと自体が楽しい

お子さんの中には声を出すこと自体が楽しくなり、大きな声を出したりすることが有ります。 楽しみ方は人それぞれですが、『声を出す行為』『出した声が自分に聞こえる』『周囲の反応』などを楽しんでいることがあります。

声の大きさの調整が難しいという場合も有ります。
声の調整が難しい理由は『呼吸量』『嚥下や口腔内や呼吸器官の問題』『口や舌を動かすのが難しい』などその人の特徴によって様々です。
声の調整が難しい場合は大きくなるだけでなく、ボソボソっとした小さい声になってしまう事もあります。
発語や会話が出来て声が大きくなってしまうという場合には、会話の専門家や言語聴覚士などに診てもらったり相談すると良いでしょう。

・周囲の反応を楽しんでいる

自閉症の大きな特徴に「コミュニケーションをとる事が困難」というものがあります。

これは言葉が出ないばかりでなく、声が出ても場や状況に応じた適切な言葉が出せないという事もあります。
そのため、大きな声で相手に何かを訴えたり、その場の状況とは全く関係ない言葉や声を発してしまう事もあります。
また、大きな声で周囲の人がビックリしたり驚いたりする様子を見て楽しんだり、その行為自体をコミュニケーションとしている場合もあります。

・無意識に出てしまう

自閉症や発達障害の人たちは声が無意識に出てしまうことが有ります。

特に『楽しい時』『不安やストレスを感じている時』『暇で手持ち無沙汰のとき』『パニックや、かんしゃくのとき』などが多いです。
楽しいときには「好きな言葉」「楽しかった事と結びつく言葉」、不安やストレスを感じている時には「自分が落ち着ける言葉」「安心する言葉」「言いやすい言葉」などを出すことが多い傾向になります。
無意識に出てしまう言葉には常同行動や、感覚遊びの一環で行っている事も有ります。
パニックや、かんしゃくのときは言葉にならず叫び声や奇声など意味の分からない発声をする事が多いです。

・音が聞こえにくい為

聴覚が鈍くなる聴覚鈍麻や難聴などの特徴があると、周囲の音や声が聞き取りにくくなってしまいます。

そのため、自分が聞こえやすいように大きな声を出してしまうという事もあります。

障害を持つ人の中には、知的や精神面だけではなく、身体的な部分での障害を持っている人も多く見られます。
その身体障害の中でも、口の筋肉や舌の筋肉の発達が遅れている、神経や筋肉の麻痺がある、口腔内や歯並びなどに異常がある場合などは、言葉の発声や発音が難しくなる事があります。
そのため、言葉を話そうと思っても、正しい発音や発声量が出来ず、大声や奇声になってしまう事もあります。

本人からしてみれば何かを要求していたり、コミュニケーションを取ろうとする言葉であっても、周りの人からすると大きな声で叫んでいるだけと捉えられてしまう事も有ります。

意味のある言葉やその場にあった会話なら、多少大きな声で話しても周囲の人はそこまで気にするとは無いですが、耳慣れない言葉や意味のわからない言葉だと、目立つだけでなく実際の音量以上に大きな声に聞こえてしまうことがあります。


社会や公共の場所では、静かにしなくてはいけない場所やタイミングというものがあります。

一般の人はそのような場所では静かにしたり、会話をする際は小声などで行います。


しかし、自閉症や発達障害の場合、そのような場所を意識したり、場の空気や暗黙の了解などを理解するのが難しく、静かにしなくてはいけない場所でも大きな声で喋ってしまったり、声を出してしまうことが有ります。

そのため、周囲から目立ってしまったり、大きな声を出していると思われてしまいます。

《対処法》

・声を出していい場所と駄目な場所を教える

大声を出してしまう際には、声を出してはいけない場所や時間などを教えたり、声の大きさの目安などを教える方法があります。

なお、我慢させるだけではストレスが溜まってしまうので、逆にある程度の声を出してもいい場所やタイミングなども設けてあげる必要があります。

どこでも大声を出してしまう場合には大声を出しては駄目な場所とある程度声を出してよい場所を教えるという方法も有ります。


自宅や建物内などで声を出してしまう場合には「建物内は駄目だけど外に出たら良い」「公園や校庭なら良い」、乗り物に乗る際などは「バス内や電車内は駄目だけど、降りたりホームなら良い」などです。


また、大声を出してよい場所として定期的なお散歩や、カラオケなどに連れて行く事も効果があります。

大声を出す子の中には、定期的に行くカラオケ自体が楽しみになり、カラオケに行くというご褒美を作ることで、日常の大きな声を我慢できるようになった事例も有ります。


・声を出すことを我慢させる時間を作る

大声を出すことを時間として我慢させる練習も必要となります。

学校などでは「始まりの会」や「終わりの会」などは静かにする、自宅では「ご飯の時間」「トイレの中」では静かにするなどです。

我慢をする時間は開始と終わりをハッキリさせることが重要です。

自閉症の子供は時間の感覚や概念を理解するのが苦手であるため、「いつまで我慢するのか」という事をはっきりさせてあげないと不安やストレスに繋がり、余計に声を出してしまう事もあります。


我慢をさせる場合に最初は短い時間から行うのが重要に成ります。

短い時間を我慢する事が出来るようになったら、時間をだんだんと長くしていったり、我慢する短い時間の回数を増やして行きましょう。

・小さい声を目安で教える

大声を出している子供は自分がどのくらい大きな声を出しているか、周りがどのくらいうるさいと感じて迷惑しているかが分からないときが有ります。

その際には声の大きさをレベル分けして、「大きい」と「小さい」の2段階や、間に「ふつう」を入れて3段階などに分けても良いでしょう。

また、レベルは数字だけで分かる子は数字を使ったり、絵やレベルゲージのように見せる方法も有ります。

・大声を出さなくても良い方法を教える

大声で何かを訴えたりしている場合は、その訴えが大声でなくても良いという事を教える事も必要になります。

声を小さくしても聞こえていることを教えたり、声の代りに相手の肩を手で叩く、相手の手を引くなどの方法がある事を気付かせてあげると良いでしょう。

色々な場所やタイミングで大きな声を出してしまうというのは、自閉症や発達障害などの子供を持つ親の大きな悩みの一つだと思います。


大きな声を出してしまうという事にも、たくさんの理由があります。


障害を持った人にとって声を出すのはコミュニケーションの一環であり、何らかの意思表示であるということを忘れてはいけません。


極端な大声や奇声の場合はまず声を出してしまう原因を考え、解決をしたり代替の手段などを提供することが必要となります。


声で訴えや感情を出せるのは、コミュニケーションを行ううえでとても重要なことです。

声で自分の意思表示を行ってるという事を大切にして、声の大きさの調整や我慢するという事を意識させることが重要になります。


💠プロフィール💠
真方光君(まがたひろこ)1978年生まれ    10歳の娘と2歳の息子がいます。
10歳の娘は、13qモノソミーという障害があります。
私と同じように療育されているお母様やそのご家族、障害や発達に心配のあるお子様と関わる方々に向けて発信しています。

オススメしている対処法や考えられる理由がもちろん全てではありません。

私や私の仲間のお母さん達の通ってきた道。

そこから拾い上げてきた対処法です。

全てのお子様に役立つかどうかは未知数ですが、ひとつのアイデアとしてお役に立てれば、大変嬉しく思います。

全てを網羅する事は出来ないかもしれませんが、私達が、何十というアプローチを何百回と試し、うちの子に効果が見られた事例をご紹介していきます。

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