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第一章 02奇妙な微動、再び

1995年の阪神大震災以降では、気象庁の被害地震の記録を見ると少なからず発生していることが確認できる。
1997年、鹿児島薩摩地方で震度6弱 M6.6
1998年、岩手内陸北部で震度6弱 M6.2
2000年、新島神津島で震度6弱 M6.5
2000年、三宅島近海で震度6弱 M6.5
2000年、鳥取県西部地震 震度6強 M7.3
2001年、芸予地震 震度6弱 M6.7
2003年、宮城県沖 震度6弱 M7.1
2003年、釧路十勝沖 震度6弱 M8.0

東京に居住することになる2004年まで奇妙な揺れに遭遇しなかったと書いたが、一度だけ短いものを捕捉したことがある。
大阪で身体を壊して帰郷、1997年までは広島県に居住。その期間に、一過性の短いものを確認した。阪神大震災から間もないこともあり、これは!と迷わず自治体の消防に電話。神戸の震災前の微動に似ているものが出ていること、地震の発生するようなところが近辺にあるかもしれないことを伝えた。受け流されると思っていたところ、真剣に話を聞いてこられたのでむしろ驚いた、おそらく阪神大震災から間もない時期であったので、意識が高かったのだろうと思う。
ほどなく自治体発行の広報に「身近な活断層」マップが折込で入っていた。
その後3年ほどで2000年の鳥取西部地震、2001年の芸予地震が発生。話を聞いてくれた自治体とは離れている場所ではあるものの、実際に中国地方で広く揺れ、あらためて自分のいる地域の地震に関して意識が高まったことと思う。

1998年には京都北部に転居していたが、2000年の鳥取西部地震と2001年の芸予地震については微動は捕捉で来ていたのかというと、直前または一か月ほど前の間を含め、まったく微動を確認できなかった。その当時は「やっぱり遠いとわからないんだな」としか考えなかった。

2001年は同時多発テロが発生していたのは大きな衝撃だった。激動の中でインターネットも普及していた。掲示板に出会ったのはこのころだったと思う。2002年ごろは、さらに京都の長岡京市に転居したものの、阪神大震災のあとの微動やそれに類似した微動は一度もでておらず、「100年に一度の不思議な現象で幻の微動だったのだろう」とすら考えていて、ほとんど忘れていた。2003年のM8の十勝沖やM7クラスの宮城沖も、行ったこともない遠い国と変わらず、微動が届くようなものではないと思っていた。阪神大震災のように震源断層から100キロも離れていないような場所で、限定的にこうした微動が取れるのだろう、と。

2004年に東京に転居したころ、転居先の鉄筋コンクリートのマンション二階で、微かな揺れやキュキュキュ・・・という音に気づいた。東京なので地下鉄も多いしそのせいだろうかと思ったものの、音の間隔や継続時間が一様でなく、まったく鳴らない日もあればひどく活発な時がある、時につんのめるような,溜めるような動きの時もあり、交通などのシステマティックな動きからはかけ離れていることがわかってきた。インターネットで地震について本格的に調べ始め、防災研やHi-netを知ったのもこのころで、低周波微動というのを知った時、阪神大震災前に捕捉したのはこれに違いないと勇んで、同期するかを見ていた。ところが低周波微動が活発状態にある時には体感は全くない。防災研で捕捉してる微動は体感できないだけなのか、体感してるものは別物なのかを疑う事になった。一方で、キュキュキュという家鳴りは防災研のデータとよく同期していた。つまりキュキュキュの家鳴りが低周波微動であり、阪神大震災前の微動は別物。このことだけが判明した。

その2004年、秋口に、ほとんど忘れかけていた微動が出てきた。阪神大震災前に出てきた微動と酷似の様相でその微動が繰り返し始めた時、時を超えて震災の情景が昨日のことのようによみがえって身震いがした。まさか東京で同じものが出るとは。倒壊した阪神高速の情景が脳裏をよぎった。その微動を外部の掲示板に記録し始めた。こんなに明瞭にその微動が出てくるとはよほど東京に近いか、または首都直下地震なのではないか。深部低周波微動のデータと微動の記録を照合するも全く合わない。防災研究所も捕捉していない微動が継続している。。。。




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