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カンジダによる舌痛症を振り返る

私が舌痛症になった直接の原因は口腔カンジダ症だった。カンジダが私の舌粘膜をズタズタにしてしまったダメージにより、今も舌のヒリヒリ感や違和感が残っている。

カンジダ除菌前と今の最も大きな違いは、口の中からサラサラとした「痛い粉」が発生するかどうかだ。私の口の中に発生していた痛い粉は、こんな感じ。

  • 舌前方が真っ赤にただれる

  • 舌の奥の方から片栗粉のようなものが湧き上がり、唾液に混ざる

  • 粉が舌に触れると痛む(炭酸水を飲んだ感じ)

  • 粉がパチンとはじけるような感覚も時々ある

  • その粉が歯と歯茎の間やノドに引っかかるとそこが痛む

  • 喉・鼻・耳・目も粉っぽい感じがしてヒリヒリする


このような痛い粉は、46年間生きてきて口の中に感じたことはなかった。イトラコナゾールという抗真菌薬を1週間くらい飲んだあたりで、痛い粉はあっけなく消え去ってくれた。


このことから、私はあの痛い粉はカンジダそのものだったのではないかと思っている。カンジダといえば、チーズ様のおりものを引き起こすことで女性にはおなじみの「カンジダ・アルビカンス」という菌種がある。これはカンジダが白い菌糸を伸ばし細胞同士が絡み合って患部表面を白くしたり、チーズカスのような物体を作り出す。


でも、私の唾液中に存在していた痛い粉とは何か違う気がする。私の舌は赤くはなったが、白くはなっていなかった。ネットで調べたところ、「カンジダ・グラブラータ」という2番目に感染の多いカンジダ菌種が存在する。この菌種は菌糸を伸ばさず、酵母という球状の状態で存在するらしい。ごくごく小さな酵母は、口の中では粉のように感じるのかもしれない。

カンジダ・グラブラータ

Wikipediaによると「綿棒や生検から採取された培養物は真菌に対して陰性であり、特別な評価が必要であるため、皮膚病の診断は困難です」とあることから、カンジダの検査をしても陰性と評価されて適切な治療を得られないケースが多くありそうだ。さらにカンジダ・グラブラータは薬剤耐性を獲得しやすい特徴があり、薬が効きにくいとの記載があった。


たしかに、膣カンジダ錠「フェミニーナ」のウェブサイトにも、この菌種は難治性との記載がある。

腟カンジダの原因菌の多くが「カンジダ・アルビカンス」によるもので、
「カンジダ・グラブラータ」によるものは1割程度ですが、難治性として知られています。
フェミニーナ腟カンジダ錠は、「アルビカンス」にはもちろん、「グラブラータ」原因菌にも効果があります。

フェミニーナ製品情報

私も舌痛症発症当初、舌痛症を2000人は診たという歯科医師からアムホテリシンBという抗真菌薬を処方され、1か月うがいを続けたが全く治らなかった経験があるので、難治性というのもあてはまっている。


自分自身もそうだったが、舌痛症は、カンジダ感染が原因だとしても、気にしすぎだとか言われて医師からまともにとりあってもらえないことが多いようだ。また運良くカンジダ感染に理解がある医師に巡り合えても、菌種がグラブラータだと検査で陰性になったり、さらに運良く抗真菌薬が処方されても効きにくいという、感染症の治療にはいくつもの壁がありそうだ。


私の口腔カンジダ症はおそらくカンジダ・グラブラータだったのだろうと納得している。医師には「そんなにネットで舌痛症のことを調べると余計に症状が固着しますよ」とか「舌を鏡で見るな」とか忠告されたが、自分で調べたからこそ別の種類の抗真菌薬の処方をお願いできたし、おかげで感染症も治ったので、自分で調べて本当に良かったと思っている。



このNote記事が同じように痛い粉に悩まされている方の参考に少しでもなればと思う。


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