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舌痛症とハミガキ粉

先日、耳鼻科で、「粘膜が荒れるタイプの口内炎」と診断され、ステロイド軟膏や亜鉛・ビタミンBなどが処方された。ステロイド軟膏は私には合わなかったのは残念だが、口内炎と診断されて以来、だいぶ気持ちが楽になった。


舌痛症と言われると、舌の不快感は脳の誤作動で心の問題であり、常に幻の感覚を感じているということになる。その違和感だけでも辛いのに、これは幻なんだからと自分の感覚を否定するのは、私のストレスを増幅させていた。ただ、軽めの違和感なら、幻と言われて安心し、消えてしまうメリットもあるかもしれないけど。


粘膜が荒れるタイプの口内炎であるなら、私の舌のシビレ・痛み・味は炎症から実際に発生しているということで、疑いの余地はない。炎症さえ取り除けば治癒するということになる。



ちょっと気になるのは、実際は舌の粘膜が荒れるタイプの口内炎が、舌痛症と少なからず診断されているケースがあるのではないかということだ。


舌痛症の人は舌を鏡で見ることも医師から止められているため、口内炎だとは気づかないだろう。口内炎だったら抗うつ薬では治らないし、延々と抗うつ薬を飲み続けることにならないだろうか。医師側からしたらいいお客さん状態で・・・なんて、舌痛症ってもしかして、闇が深い病気なのか??


話は本題に入るが、現在は舌の炎症を鎮める方法を模索している。その一つとして、これまで愛用してきたハミガキ粉とお別れすることにした。これまであまり気にしてこなかったが、ハミガキ粉がちゃんと泡立つのは台所用洗剤と同じような合成界面活性剤が入っているからだ。


合成界面活性剤は、水と油を混ぜ合わせる。私たちのお肌の角質層も、水と油の層が何重にも重なりあって外からの刺激から体を守っているが、合成界面活性剤でできたボディーソープで洗うと、角質内の水と油が混ざり合って破壊され、肌があれる。


肌のバリア機能は、皮脂膜と角質細胞間脂質、天然保湿成分(MNF)から構成されています。肌の水分を維持するとともに、外界からアレルギー物質などが侵入しないように防いでいます。とくに角質細胞間脂質は、水と油が何層も交互に重なり合って、水の浸入は油が防ぎ、油の侵入は水が防ぐ構造になっていて、水も油も通さない仕組みになっています。

ところが合成界面活性剤を使うと、まず肌表面の皮脂がとかされ、肌を守っている常在菌もろともそぎ落としてしまいます。洗浄力が強すぎるため、肌の表面でバリア機能を守ろうと踏んばっている皮脂膜を洗い流してしまいます。さらに水と油の層が幾重にも重なりあっている角質細胞間脂質を溶かして、水も油も通してしまうようになります。

合成界面活性剤が肌トラブルの悪化要因に


調べたところ、舌や上あごの粘膜も、皮膚と同じように角質化されている組織なのだそう。だから以前、上顎のヤスリ状にザラザラしたところにキズパワーパッドを貼ったら一時的にツルツルになったのもうなずける。貼っちゃダメだけど。ちなみに貼るのをやめてしばらくしたら、またザラザラに戻った。


口内炎で粘膜が弱っている場合は、なけなしの角質層が合成界面活性剤入りのハミガキ粉で破壊されることになる。先日のブログでご紹介した湿潤療法の生みの親、夏井睦先生の著書によると、合成界面活性剤を含まないハミガキ粉に変えるだけで、難治性の口内炎が治る患者は少なくない、とのこと。


患者よ、医者から逃げろ~その手術、本当に必要ですか?


私もかれこれ半年もこんな症状に悩まされているのだから、もう立派な難治性の口内炎だと思う。言われてみれば確かに、ハミガキ粉がビリビリ舌に染みていた自覚はあった。


というわけで、ハミガキ粉をつけないで磨いてみた。舌には当然、刺激はない。口の中はスッキリしないが、こんな風に地道に粘膜に良いことを続けていけば、そのうちいいことあるはず、と思うことにした。


・・・でもやっぱり、ハミガキ後にミント風味が残らないと、なんだかスッキリしないので、近所のドラッグストアで合成界面活性剤を含まないハミガキ粉「リペリオ」を買ってみた。


歯肉活性化歯みがき剤 リペリオ

泡が立たないのはちょっと寂しいが、ミントの風味はあるので、気持ち的にさっぱりする。ハミガキ剤が直接舌に触れたら、今の弱った粘膜だと少ししみるが、唾液に溶けたあとなら染みない。一応、舌にいい成分が入っているという謳い文句のハミガキ粉だ。2週間ほど使っているが、刺激が少なくていい感じ。


治癒の方法を色々模索している中、薬やサプリなどたし算の治療法をよく見かけるが、こういう余計なものをやめてみる、という引き算のアイデアもいいなと思う。合成界面活性剤入りのハミガキ粉をやめたことで劇的な変化はないが、ゆるやかにでも回復していくことを期待している。

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