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#4【58歳女子 ロンドン留学日記①】~ただいまロンバケ中~

人生のうち、一度でいいから外国に住んでみたい!
この夢を、いま叶えることにしたロングバケーション中の58歳女子。

ロンドンに到着し、珍道中の幕開けです。

ロンドンに到着

空港に迎えが来ない

ヒースロー空港まで、希望と不安にうち震えながらのフライトは直行で14時間半。入国手続き、荷物の受け取りなども同じ飛行機の乗客の流れにのっていけば問題はありませんでした。

自分の荷物をターンテーブルから取り上げて、いよいよ出口へ。学校手配のドライバーさんが待っていてくれるはず(高額だけど)。
なのに、いない!
名前を書いた紙を掲げているお迎えらしき人はたくさんいました。私の名前は?と大きな荷物を伴って探しているうちに、一人また一人と合流できたペアが減っていきます。
落ち着け自分。こういう時はどうするんだっけ?電話?どこに・・・?
すると、数日前に登録したWhat Up アプリ(Lineようなアプリ)にメッセージが届いていることに気が付きました。
「荷物を受け取ったら連絡ください」。
そんな~~急に英語で?
やがて電話もかかってきて、どこかに来いと言っている模様。

後で知ったのですが、当初私を迎えに行くはずの車が故障し、急遽、私の後に到着する留学生と一緒に乗せることにしたとのこと。

疲れと不安の中で長時間待たされたあげく、もちろんそんな説明もなく、ドイツから到着した女の子と一緒に車に乗り、空港を後にしたのでした。

部屋には本当に何もない

滞在先の学生寮についたのは夜7時半くらい。いまロンドンはサマータイムなので、時差としては日本より8時間遅れています。朝6時に家を出て、翌朝の3時半に到着した計算です。

もはや外に出る気力もないけれど、トイレットペーパーすらない。指示されたWi-Fiもつながらない。ないない尽くしのスタート。
張り切っていた希望の風船がどんどんしぼんでいくのを感じます。
このくらいは想定内だと自分に言い聞かせるワタシ。
スーツケースがパンパンだったけど、いろいろ持ってきてよかったじゃん!
ここまででかなり消耗。とにかく寝なければ。

新入生オリエンテーション

語学学校は基本的に毎週月曜日がスタートで、前日の日曜日に新入生に向けたオリエンテーションが行われます。
到着翌日の12時。指示された学校近くの駅前に、私と同じ4月8日からスタートの新入生20人が集合しました。ブラジル、ドイツ、イタリア、フランス、スペインなどの面々で、日本人は私とリタイアしたおじさんと若者男子の3人です。皆が「Nice to meet you!」とにこやかに歩み寄ります。

学校のスタッフが学校の近所を案内してくれた後、校内へ。
翌日からの持ち物や注意事項などの説明を受けたあと、いよいよ自己紹介タイムです。緊張が走ります。幸い、私の順番は座席順で後の方でした。
固い雰囲気の中でも、皆さんユーモアを交えることは忘れません。

「ロンドンで行ってみたいところも語ってください」とのことだったので、私は「ノッティングヒルの恋人のノッティングヒルに行ってみたいです。ヒューグラントが好きだし」と言ったところ、「おお~っ」小さなどよめきがおきました。
解散した後も、ドイツの年輩の女性から「私もヒューが大好きなのよ~。20年も前よねー」と話しかけてもらえて、翌日からの希望が見えた気がしました。ありがとうヒュー!

学校ライフがスタート

学校初日、逃げ帰る

私は30歳以上のコースで、当初「中級の上」クラスに振り分けられていました。しかしながら予習教材の時事問題がトラウマとなっていたため、急遽一つ下の「中級の中」クラスからスタートさせてもらうことにしました。

クラスに新入生は私一人。そのクラスの大半はブラジル人で、先生の英語もわからないけれど、ブラジル人の英語も聞き取れません。

教科書のテーマは「アート」。アートとは何か?絵画や文学はアートだけど、漫画はアートでしょうか?ペアになって話し合ってください、などなど。
「ひゃー日本語でも難しいやつだ・・・」。
2人か3人のグループになってディスカッションするのですが、全く対応できず。全然わからないのである意味退屈。
この時間は一体何のための時間なのか?
これが毎日続いたらどうしよう・・・

授業が終わってクラスメイトに「バ~イ」と告げると、一目散に寮への帰り道を急ぎました。まだなじみのない我が家へ。逃げ場所はそこしかないから。

オリエンテーションで一緒だった新入生はそれぞれバラバラのクラスですが、みんなもうお友達ができているようにも見えました。自分だけが遅れてる?
ゆる~い留学のつもりが、すっかりガチモードに。

仕切り直しの二日目、元気取り戻す

何とかしないと。
クラスをもう一つ下げてもらおうと決めて、朝早めに出発。学校までは歩いて20分程度です。
ものすごい雨風の中、クイーンのWe will rock youを聞きながらドンドンパ!と力強い足取りで進みます。大丈夫!

この日から、「初中級」クラスへ。クラスメイトはトルコ人が多く、そのほかサウジ、ブラジル、ドイツ、フランス、台湾などから。年齢層は30代、40代が中心でしょうか。

なんだかすごくラクになりました。テーマも「今度の週末は何をする?」「旅行に行くならどんな宿がいいと思う?」など身近で具体的で楽しい話題。これなら言いたいことがすぐに浮かぶので、英語に変換することだけに集中できます。話すのと聞くのはここでも苦手ですが、文法問題の解答を私に頼ってくれるトルコ男子が出現するなど、ちょっと嬉しいことも。
自己満足でもいい。自信とか余裕とか、少しでもそういうのがほしい~

毎日の通学路 

ディナークラブ

週に一度、学校が席を予約してくれるディナークラブというアクティビティがあります。定員10名。学校が近所の気軽なレストランの席を予約してくれて、料金は現地で個々に支払います。
この週はイタリアンレストランで、さっそく申し込んでみました。

6時過ぎに学校の受付に集合して、スタッフの先導で徒歩10分くらいのお店へ向かいます。
参加しているのは新入生が多い印象でした。最初は話も盛り上がらず、私は緊張しすぎて注文も決められません。
飲み物だけでも早く決めないと・・・。みんなどうしてるんだろう?とドキドキしつつ、ビールを注文。
やがて、私の前に特大サイズのビールがやってきました。周りを見渡すと、みんなワインか小瓶のビールです。
しまった・・・!

「あなた、それでディナー完結ね」とか言われて、笑うべきなのかどうなのか。顔は固まっています。早くこのドでかビールの存在を消さなければと早々に飲み干して赤ワインを注文。
すると、このあたりから、お酒がまわったのか調子が出てきました。周りの人々も、私の飲みっぷりを見て呆れたのか笑っているのか話しかけてくるようになりました。スペイン人のおじさんは「オレはスペインのヒューグラントなんだぜ」と若いころの写真を見せて笑わせてくれたり。

違う国の人たちが集まって、なんだかみんなでゲラゲラ笑ってる。賑やかでうるさいなーこの人たち。少し引いて見ると相当面おもしろい状況です。
何を話して何に笑っているのかわからないけれど、一緒に笑っているだけで楽しかった。これでいいのかも。

楽しかったディナークラブの帰り道

出発前、不安そうな私に「おもしろがれ!」と言ってくれた友人がいました。中高年の心の持ち方としては、この「おもしろがる」精神に尽きると思います。

がんばります。



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