"いちばん染まる"刺繍糸 選手権
2022年は、刺繍と理科の自由研究。
ゴールデンウィークにはじめた「刺繍糸の染め比べ実験」は
夏までに4種類の染材を試したところ、ちょっと予想外な結果に、、、
各メーカーの白い刺繍糸、
どれがいちばん染まりやすいと思いますか?
目的
刺し子の糸をご自身で染めて使っている人がいるのを知って、刺繍糸も自分で染めてみたい!けど、一体どの糸を染めればいいの?
賞味期限切れの牛乳、余分なたまねぎの皮、捨てちゃうさくらんぼの軸、、などただ捨てちゃうのは勿体ない!
日本でよく見る4メーカーの25番刺繍糸から白色を選抜して、
同じ条件で染めてみよう!
材料
糸
1、COSMO 4色(100、110、500、2500)
2、OLYMPUS 3色(800、801、850)
3、DMC 3色(BLANC、B5200、ECRU)
4、Anchor 2色(001、002)
染材(色の素になるもの)
1、紅茶(賞味期限がきれちゃった高級フレーバーティー)
2、たまねぎの皮
3、さくらんぼの軸(お中元でいただいた紅秀峰。もちろん美味しかったです)
4、化学染料・定着液(ECO染料コールダイオール・ミカノール)
その他
牛乳、毛糸(少し)、中性洗剤、みょうばん、クエン酸、塩
染め方(植物染料の場合)
12カセの糸を同じピッチで輪にして、それぞれ違う色の目印をつける
12カセまとめて毛糸(対象物と違う素材の糸ならOK)でゆるくくくる
薄めた中性洗剤に浸ける →軽くすすいで絞って乾燥
2倍希釈の牛乳に浸ける →すすがず絞って乾燥
染材を煮る(染液をつくる)
糸の束を水に浸けて、完全に浸み込ませる
軽く絞って、染液へ浸ける(ムラにならないように動かす)
軽く絞って水洗い
媒染剤(今回はミョウバン液)に浸ける
軽く絞って水洗い →乾燥
※さくらんぼの軸は赤い色素が出にくいと聞いたので、クエン酸を少量使いました(が、それよりも空気とよく混ぜたほうが綺麗な色が出そうだった、、(反省)
※化学染料は、説明書通りに染めたので割愛
予想
メーカーごとの違いは予想できないけれど、
一般的な「白」は染めに向いているはず。
「漂白したような真っ白」は、経年でも黄ばみにくいから、色が変わりにくいのでは。染まったとしても、洗濯したら簡単に色落ちしそう。
同じ理屈で「生成」など、元々少し色があるような糸は染まりにくいのでは?
結果
全部染まる。
「白」はもちろん染まる。
「漂白したような真っ白」はやはり若干色が浅く、少し青みを帯びて染まり、
「生成」は少し茶色っぽくレトロな色に染まりました。
これは本当に予想外。やってみなきゃわからなかった。
「漂白したような真っ白」はもっとはっきり白いままになると予想していました。何なら好みの色に染まってしまってびっくりです。
ちなみに目印の色糸も、そのものの色+染めた色に染まっていたので、色糸も全て染まるようです。(黄色い糸を青で染めたら緑、みたいな)
それぞれの色の2段目は、漂白剤を入れて洗濯機でガンガン回したあとの糸。
元が濃く染まっていたたまねぎは多少淡くなりましたが、他はほとんど変化なし。
今後の課題&まとめ
・ブラックライトで照らしたら?
・日光堅牢度はどの程度?色が抜ける?
・繊維はもろくなってない?
このあたりは追加実験したい。あと今回は染めムラが出ちゃったので、もうちょっと染めが上手くなりたいなーと思いました。
なんともニッチな自由研究。同じようなこと考えている方がいらしたら、ぜひコメントください。研究結果を共有できたら広がりそうです☻
・・・
刺繍って贅沢な文化だった歴史があって、いまも別に生きるために必要なことじゃないし、(だからこそ素晴らしいものであるべきだと思ってるけど、)
無駄を出さないように気をつけてやっていても、どうしても捨てるしかない糸くずや布端ができてしまいます。
SDGsが叫ばれる世の中で、どんどん肩身が狭くなっていくような気もする。
刺繍の分野でSDGsに取り組むとしたら、どんなことがあるんだろう?って。
今年の自由研究は、刺繍そのもののSDGsとはちょっと違いますが、廃棄対象の牛乳や食材が何かしらの教材になるんだよっていうことを伝えたいと思いました。
冬休みは「牛乳飲もう」ってあまり聞かないけれど、廃棄されるものが少ないのかな?
ちょっと気になるなーって方は、ぜひ草木染めやってみてくださいね。
はじめは糸より布がおすすめ。ムラも愛おしい模様になりますよ!
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