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現代語メール句会 2021年 〜上半期の1句・佳作〜


現代語メール句会と題して、
2021年1月〜6月まで、
みなさまの作品を募集していました。

「上半期の1句」と「佳作」を
選ばせていだだきました。

以下その作品です。



現代語メール句会
2021年

◇ 上半期の1句 ◇

大空を一葉にして枯欅
矢口れんと

上半期の1句は、矢口さんのこの句に。葉を落とした冬の欅(けやき)の木。いまは枝をひろびろと広げて、まるで大空を一枚の葉っぱにしているかのようだ、という句です。大空も、欅の木も、人や生き物もあらゆるものは元はひとつ、同じ地球のなかで循環しています。ふとそれを感じさせてくれるようで、なおかつ雄大な句でした。



◇ 候補5句 ◇

夏祭り千年の世のかけ声よ
吉田翠

陽炎がときめき立って犬吠える
笹塚心琴

シャキシャキと 春のサラダに 満たされて
ちぇる

向かい風遡上してこそ鯉のぼり
悠凜

ワクチンの肩を押さえて卯月尽く
with HAIKU_潤之介



◇ 佳作20句 ◇

語り部が捨てた神話か眠る山
吉田翠

殺伐とした世を包むねんねこよ
吉田翠

老いた手で春待つ母の筑前煮
笹塚心琴

見上げれば祖母の微笑む冬銀河
笹塚心琴

吹いてまた吹き荒れてまた淑気立つ
矢口れんと

紅梅の一本が張る結界か
矢口れんと

春暁の連れてきた語を書き留めて
矢口れんと

学年を書き変える手よ母も春
吉田翠

陽炎がときめき立って犬吠える
笹塚心琴

初桜この日散りゆく人もいて
矢口れんと

鎌倉よ澄ませた耳に鐘朧
悠凜

シャキシャキと 春のサラダに 満たされて
ちぇる

傘ひとつ心ふたつよ春時雨
笹塚心琴

向かい風遡上してこそ鯉のぼり
悠凜

夏茜小さくなったふるさとよ
吉田翠

ワクチンの肩を押さえて卯月尽く
with HAIKU_潤之介

夏祭り千年の世のかけ声よ
吉田翠

軽やかに人生ままよ夏雲よ
晴田そわか

どんどんと 言えればいいのに 遠花火
あたみん

形代よ担っておくれ友の荷を
悠凜

敬称略
失礼いたします

メール句会への
ご投句ありがとうございました




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