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非定型骨折の話 ④手術日

入院翌朝メールを入れたら、お昼ごろに電話が来た。必要なものを聞いて、早速届けに行く。声が元気そうで良かった。もともと日常のあらゆることに不満を持っている人だから、要求が多ければ多いほど、平常通りだともいえる。

日曜日に病院から電話があり、手術が火曜に決まったという。思ったより早くに組んでくれて感謝感謝。と思っていたら、母の様子が少し不穏になる。大部屋が空いていないため個室を使っているのだけれど、「こんなところで何で一人でいないとならないのか」という。

月曜日、再び「一人で放っておかれて、おかしくなりそう。ここを出たい」というので、病院に電話して大部屋へ移動してくれるよう頼む。最初は渋っていたが、最終的には希望を聞いてくれてホッとした。が、手術日は2日延期になった。

手術当日、父と病院へ。父と母は仲良くないが、互いの緊急時は一応義理を果たす、という関係。ののしり合いながらも50年以上連れ添っているのだから、何か通じ合うものがあるのだろう。互いに耳が遠くなり喧嘩が成立しなくなったのが本当のところではないかと、私はひそかに思っているけれど。

1時間程度と聞いていた手術は、3時間かかって終了した。何か不測の事態でも、と頭をかすめたが、問題があったわけではないらしい。無事に病室に戻ってきたのを確認。思ったより元気があって、良かった良かった。


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