見出し画像

『光る君へ』第一話を見て

前宣伝も前評判もすごい騒ぎのドラマ、第一話は見ておこうとビデオ録画した。なぜなら私は8時には必ず寝るから。

翌朝録画を見ながら思った。
誰も道長や紫式部の幼少時は知らないし資料も残されていないから、どう描こうと勝手だ。だから、特に違和感はなかった。また自分の知識だけが正しいわけではないから、娯楽としてひとときを愉しもう、それでいい……。

ただ藤原道兼が紫式部の母親を殺したという設定にはぶっ飛ぶほど驚いた。
あのころ、母親の存在は名前すら残っていない。枕草子の清少納言もそうだ。父親の記録は十分残されているが、母親は不在の存在なのだ。

だから式部の母親があんな死に方を絶対しなかったとも、したとも、誰も言えない。100歩譲って、殺されたとしても道兼ではなく道兼に仕えた従者に殺されたぐらいがまだ現実感がある、と勝手に思ったのだ。

当時、貴族たちは怨霊を恐れ、公的な死刑制度もない。政敵を葬るにもせいぜい数年の地方送りで、ほとぼりがさめると都に呼び戻す。それほど「祟り」を恐れていたのだ。
でも相手が女だと、ためらいもなく切り殺したのかな……。

『源氏物語』には殺人の場面はひとつもないから想像のしようもない。

一応はセレブ貴族のお坊ちゃまである道兼が自分の手で人を切り殺すだろうか……とはいえ、絶対にあり得ないとする根拠もない。

ドラマだからどうでもいいや!(^^)!

風貌に関しては、当時の貴族の男性は、化粧をして、ふっくら色白が求められた。まさに光源氏がそうである。
帝はお化粧をしていて女性と見紛うほどの「なよなよ」系だと(私の勝手な想像だが)思っていたが、ドラマではけっこう現代的なマニッシュ系で、このほうが現代人には受け入れやすいかな……。
他の男性も化粧で白い顏というわけではなく、現代的な風貌だ。

ドラマは現在見ている人に受け入れられることが一番だから、その辺はうまく作ってあるけれど……。

このドラマは紫式部物語ではなく道長物語になるのではないか。ふっとそう思った。
道長に関しても諸説あり、姉の詮子に特別贔屓され権力の座を手に入れ、長女彰子が男子を生んだのでその子を東宮にして外戚になった、女の力でのし上がったただのラッキーボーイという見方、なかなかの辣腕家だったとの見方もあり。どう想像しようと勝手だが……。

権力の座を手にする男が純真で心優しいはずがない。
少年時代も内心野心を秘めていて、けっこう腹黒かった、と私は勝手に思っている。ドラマの少年道長は、なんか、青春ドラマの少年みたい……。

いずれにしろ、あの少年が権力を一手に握る過程がどう描かれるか、紫式部よりそっちに興味がある私なのです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?