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梅ちゃん

幼稚園の頃

隣のクラスに、おかっぱの大人びた可愛い女の子がいた。可愛いというより美人さん。美人さんというよりめんこいって感じの子。

その子の名前は勝手に「梅」だと思ってた。仲良くなってみたかったけど近寄れなかった。年長さんの時に全然違う名前なんだってことを知った。けれど本当の名前はどうしても覚えらんなかった。

一度か二度、すこしだけ話したことがある。私はわざと大きな遊具の危ない所でしゃがんでいた。

その子が目の前にいて動けなくなった。遊具が怖くなったからじゃなくて、進んだら話しかけるか通り過ぎるか選ばなきゃならないから。でもどうするか決めらんなくてボケ〜っとしていた。すると梅ちゃんが「大丈夫?」って言った。私は「うん」とうなずいた。梅ちゃんは「危ないよ」と心配した。私は急になんだか困って小さくなってしまった。梅ちゃんは何か梅ちゃんらしいこと言ってどっか行った。

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