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ブロイラーマン・イン・ネオサイタマ#1「社長暗殺計画を阻止せよ」


*これはヒーロー小説『ブロイラーマン』の主人公をニンジャスレイヤーTRPGソロアドベンチャー用にちょっとばかり設定を変えて使っているものです。


(前回までのあらすじ)

 ネオサイタマの男子高校生、イシネ・ヒヨはある日ニンジャとなってしまった。
 不治の病を患う兄を救う方法を探すため、彼は邪悪なるニンジャ組織ソウカイ・シンジケートに潜入する。今回ヒヨが与えられたミッションは――



ニンジャ名:ブロイラーマン(イシネ・ヒヨ)
【カラテ】:5
【ニューロン】:6
【ワザマエ】:3
【ジツ】:0
【体力】:5
【精神力】:6
【脚力】:3
装備など:
スキル 頑強なる肉体
アイテム 家族の写真
立ち位置や性格
 反抗心や嫌悪



🐓🐓🐓スタートな🐓🐓🐓




 目下の大通りを走るヤクザベンツ。それに併走する影あり。
 その影はビルの壁とネオン看板を蹴っては飛び移り、ヤクザベンツを追っている。
 異様なシルエットであった。黒い背広に赤いネクタイ、革靴という姿なのだが、その頭部は人間のものではない。炎のように赤いトサカを携えた雄鶏のものなのだ!

 彼の名はブロイラーマン。不治の病を患う兄、アキの治療法を探すため、ソウカイ・シンジケートに潜入中のニンジャである。ブロイラーマンは「電話王子様」と書かれた電子看板を蹴って雑居ビル屋上へと飛び上がった!

「オラーッ!」

 


「あー、問題ねえ。リラックスしろ」

 ブロイラーマンはアンコトーストをかじりながら答えた。
 実際彼はこのような豚が死のうがどうでもいいのだ。しかしシンジケートの評価を得て地位を上げぬことには情報が手に入りにくい。兄の治療法を探るには幅広い情報網が必要だ。

 不意にブロイラーマンは目を凝らした。重金属酸性雨が降りしきる夜の街であっても、彼の超人的なニンジャ視力はそれをはっきりと見て取ることができた。
 前方ビル屋上にクローンヤクザの姿あり。対戦車ロケット砲を担ぎ、社長の車を狙っている!

「お出ましか!」

 


🎲出目な🎲
5,1,4


 アンコトーストを咥えたブロイラーマンの手の中に黒い塵が集まり、スリケンと化した!

「オラーッ!」

 野球投手めいて振りかぶり投擲! 勢いよく回転しながら飛んで行った鋼の星は狙い違わずクローンヤクザの眉間に突き刺さった。

「アバーッ!?」

 即死! ブロイラーマンは素早くその懐を物色し、万札を二枚抜き取った。薄汚い行為であることは自覚しているが、アキの入院費がかかるのだ。



 ふと、死体のすぐ横に落ちている携帯IRC端末(*スマートフォンのようなもの)に気付いた。それを拾い上げる。首謀者が割り出せるかも知れない。



選択:▶携帯端末にハッキングを仕掛ける


🎲出目な🎲
2,5,4,4,6,3


 ブロイラーマンは懐から自分の携帯IRC端末を取り出し、仲間に連絡した。

「トワ=サン、ハッキングを頼めるか」

「任せて、ブロイラーマン=サン」

 彼女の名はサイケ・トワ。ネオサイタマ市警のサイバーデッカーである。訳あってブロイラーマンに協力しているのだ。

 ブロイラーマンが自分の携帯IRC端末とクローンヤクザのものをLAN直結する。数十秒後、トワからノーティスが送られてきた。

「👍👍👍」

 ハッキングに成功したという意味だ。実に良い手際である。



「暗殺計画首謀者の位置がわかった。ケジメ水産本社社屋の地下ね。内部の犯行かしら」

「なるほど。なら帰宅コースを調べることくらい簡単だよな。さあ、逃げられる前にちょいとアイサツしに行くか!」

 ブロイラーマンは赤いトサカの軌跡をネオンライトめいて残し、走り出した。

 


 ケジメ水産本社。
 影も残さぬ速度でケジメ水産に到着したブロイラーマンは、重役用地下駐車場へ侵入する。簡易トラップが設置されていたが、ニンジャとなった彼には子供向けアスレチックのようなものだ。

 奥には機密フロッピーディスクを持った背広の男の姿があった。ケジメ水産の専務だ。ニワトリ頭の異様な姿の男が現れると、当然ながら驚きそして悲鳴を上げた。

「アイエエエエ!?」

 ブロイラーマンは威圧的に腕組みし、押し殺した声を放った。

「ここがお前のオブツダンだ。観念しな」



 しかし専務は半ばNRS(ニンジャリアリティショック)状態! 聞く耳を持たない!

「クソーッ!私に相談も無くソウカイヤなどに護衛を頼むとは……!乗っ取り計画が失敗に終わってしまったじゃないか!」

「そりゃ悪かったな」

 専務はブロイラーマンを睨みつつ後ずさりした。

「だが私はキョートに亡命する!貴様を殺した後でな!」

 専務は壁のボタンを叩いた。
 ガコンプシュー!
 それは業務用昇降機ボタンであった。扉が開き、中から現れたものは!



 大型車両ほどもあるバイオズワイガニであった。まるで怒り狂っているように泡を吹き、巨大なハサミを開閉している。

「おお!? デケエな!」

 ブロイラーマンはどこか子供めいた好奇心の籠もった驚きの声を上げた。



選択:▶カラテで殺す

ブロイラーマンの攻撃!
🎲出目な🎲
2,3,6,1,6
◆◆◆サツバツ◆◆◆

ブロイラーマン体力:5
バイオズワイガニ体力:5-2=3

バイオズワイガニの攻撃! ブロイラーマンの回避ダイス
🎲出目な🎲
2,1,4,1,4,5
◆◆◆回避成功◆◆◆

ブロイラーマン体力:5
バイオズワイガニ体力:3

ブロイラーマンの攻撃!
🎲出目な🎲
1,5,1,2,3
◆◆◆攻撃成功◆◆◆

ブロイラーマン体力:5
バイオズワイガニ体力:2

バイオズワイガニの攻撃! ブロイラーマンの回避ダイス
🎲出目な🎲
6,6,1,4,6,2
◆◆◆回避成功◆◆◆

ブロイラーマン体力:5
バイオズワイガニ体力:2

ブロイラーマンの攻撃!
🎲出目な🎲
2,5,6,5,6
◆◆◆サツバツ◆◆◆

ブロイラーマン体力:5
バイオズワイガニ体力:0


 ブロイラーマンはバイオズワイガニの上に飛び乗ると、真下に向かって大きく拳を振りかぶった。ヒサツ・ワザ! 対物《アンチマテリアル》カワラ割りパンチだ!

「オラアアアアアーッ!!」

 CRRRRRRRRRRRASH!!

「ゴボボーッ!」

 バイオズワイガニの甲殻が砕け散り、その隙間から血と内臓を鉄砲水めいて噴き出した! ぶるぶると痙攣し、すぐに動きを停めた。二度と動くことはあるまい。

 ブロイラーマンは震えあがる専務の首根っこを掴んで持ち上げ、ソウカイ・シンジケートの本拠地トコロザワピラーへと連れ帰った。



🐔🐔🐔エンディングと評価パートな🐔🐔🐔




 専務は裏でザイバツ・シャドーギルドが糸を引いていることを吐いた。すなわち東のソウカイ・シンジケートに対して西のザイバツ・シャドーギルド、いずれも悪逆非道なるニンジャ組織であり、両者は激しくいがみ合っているのだ。

 しかしブロイラーマンには大して興味のない話だ。彼の目的は兄を救うことのみである。シンジケート上役から受け取った報酬を懐に入れ、ブロイラーマンはトコロザワピラーを出た。

 そのときにはもう、その姿は男子高校生のイシネ・ヒヨとなっていた。
 入念にインタビューされる専務の姿がニューロンをちらつく。これで良かったのか。自分がやっていることは正しいのか。

(俺は正しい)

 自らにそう言い聞かせるようにして後悔――あるいは人間性の残痕を振り払い、ヒヨは夜の街へと消えた。


(続く……)




🐔🐔🐔リザルトな🐔🐔🐔



ニンジャ名:ブロイラーマン(イシネ・ヒヨ)
【カラテ】:5
【ニューロン】:6
【ワザマエ】:3
【ジツ】:0
【体力】:5
【精神力】:6
【脚力】:3
装備など:
スキル 頑強なる肉体
アイテム 家族の写真
立ち位置や性格
 反抗心や嫌悪

万札+9



🐔🐔🐔宣伝な🐔🐔🐔



 ブロイラーマン! それはニンジャスレイヤーのウスイホン用として書いていた同人小説をオリジナルヒーロー小説として書き直したものだ。noteで全部無料で公開中!

 舞台は公害汚染されつくした退廃の工業都市、天外。
 ある日ふとしたことで血族なる怪物になってしまった石音日与は、悪の血族を狩る血族ブロイラーマンとなった!
 ブロイラーマンは不治の病を患う兄・明来を救うため、悪の血族組織と血盟会と戦うのだ!



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