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声付き手話の限界

声と手話を両方同時に使うことがありますが、情報量は音声に傾いてしまうんです。
こんにちは!くつばこ+のせんです。高校の部活仲間と久しぶりに会ってきました。半分くらいのメンバーは卒業以来。みんなお酒も飲めるようになっていて、大人だ…と思いました笑

☆声付き手話

声付き手話は、その名の通り声を付けた手話です。音声で話しながら、それに合わせて手も動かす、これは日本語対応手話になります。せんが最初に出会った手話はこの声付き手話で、今でも、聞こえる人や音声をメインに使う難聴の友だちと話す時はよく使います。ただこの方法だと、慣れている声を優先してしまって、手話はどうしても「おまけ」になってしまうんです。

☆伝えるとき

せんは基本相手も音重視の人と話すときに声付き手話を使いますが、自分で話していても、「あ、今手話抜けたな」と思うときがあります。後から補足のような形で手話を付け加えるときもありますが、多くは流してしまいます。どうしても声を優先してしまうんです。それで相手に届いていればいいのですが、手話をメインに見ている人がいたら、絶対に伝わってないだろうな…と思います。なので今は、手話重視で話す場面では、せん自身声を出すことはできますが、声は出さずに読み取り通訳を付けてもらうようにしています。たとえ完璧な日本手話じゃなくても、手話メインの人には音声に引っ張られない声なし手話の方が伝わるんじゃないかなと思うのと、自分も手話だけに集中できるからです。

☆受け取るとき

話すときだけではなくて、受け取り手になったときも、困ることがあります。
いつも声付き手話で話してくれる友だち話すとき、手話を見て読み取っていると思っていましたが、自分が思う以上に声をメインにしているんだなと最近思いました。普段の会話ではすべて言っていることがわかるのに、駅のホームや電車に入った途端わからなくなるんです。友だちは手話で表す量は変えていない(はず)なので、単純にせんの聞き取り能力が雑音に負けて下がったから、わからなくなったということだと思います。そうなると、「あー、手話があっても音に頼ってたんだな」と実感するわけです。
声がないと、どうしても単語と単語の間がわからなくなります。助詞・助動詞や接続詞などの手話が抜けやすいので、話がどの方向に進むかがわからず、追えなくなってしまうんです。

☆声付き手話+α

声付き手話の難しさを書いてきましたが、場面によっては声付き手話が一番いいときもあると思います。聞こえる人とろう難聴者が一緒に話しているときや、手話を覚えたばかりの難聴者と話すとき、音声も手話も両方で情報がほしい、くつばこ+の活動でもそういうときが多いです。そのときは、声付き手話で話しながら、+αで伝える方法があるといいなと思います。音声認識やチャットなどで文字情報をつけたり、事前に話す内容や資料をある程度共有しておいたり。そして何より大事なのは、伝わってるかどうかを確認しながら進めること。音の情報が伝わるスピードは視覚情報よりも速いので、常に「誰かが置いてきぼりになっていないか」を気にしながら、会話ができたらと思います。

ということで今日は、声付き手話に対してせんが思っていることを書いてみました。伝わらないから声付き手話はダメ!ではなくて、他でどう補ったら伝わるのかを考えていきたいですね。


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