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ムットーニ世界へようこそ

 ムットーニワールドへようこそ!!
 ボックス・シアターとも称されるムットーニ(本名:武藤政彦)の作品たち。美しく彩られた木製のからくり箱、繊細な表情をした物語の登場人物たち、粘土を使って一体一体丁寧に制作されている。
 そして作品の要である電気仕掛けの”からくり”に至るまで、ムットーニ氏が設計、配線までをこなしている。こうして構築された作品に、淡い光、音楽や効果音が加わり、一つの世界が誕生している。
 八王子市夢美術館(東京都八王子市八日町8-1ビュータワー八王子2F)にて、「ムットーニワールド からくりシアターV」が2024年2月3日(土)から3月24日(日)まで開催される。
 本展では、詩人中原中也の代表作「サーカス」を作品化した《サーカス》をはじめ、20台あまりが紹介される。

《サーカス(部分)》2019年ⓒMUTTONI
《ジャングル・パラダイス(部分)》2013年ⓒMUTTONI


 作品の稼働にあわせて、ムットーニ氏自らが作中のストーリーを語る上演会も開催される予定。
 「ムットーニワールド からくりシアター」シリーズは2009年にスタート前回2018年開催の「IV」より6年の歳月を経て「V」の開催となる。

 《ザ・ダイアリー・オブ・ウィングズ》2008年ⓒMUTTONI

 ムットーニ氏は1956年、横浜に生まれた。工場が立ち並ぶ京浜工業地帯で少年時代を過ごす。家に帰ると、その日見て感じたモノを油粘土で再現して遊んでいた。十代半ばから油彩画を描き始め、高校卒業後、創形美術学校に入学。卒業後、東京都国立市にアトリエを構えた。
 後に再び粘土による人形制作に没頭した。人形、光、効果音、背景の転換などの要素を詰め込んだ「箱」が電動の仕掛けによりストーリー展開していくという独自の世界を確立した。

《サテライト・キャバレー(部分)》2007年ⓒMUTTONI


 文学作品をモチーフにしたものは、世田谷文学館、前橋文学館にコレクションされている。
 開館時間は午前10時から午後7時(ただし入館は午後6時半まで)。休館日は月曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)。観覧料は一般700円、学生(高校生以上)・65歳以上350円、中学生以下無料。 
 問い合わせは042-621-6777。八王子市夢美術館の公式サイトは https://www.yumebi.com 

 (冒頭の画像は《サテライト・キャバレー(部分)》2007年©MUTTONI)
 

 

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