２０世紀後半のベルギーを代表するアーティストのひとりジャン＝ミッシェル・フォロンの日本では３０年ぶりの大回顧展がやって来る。
　「空想旅行案内人 ジャン＝ミッシェル・フォロン」展が２０２４年７月１３日（土）から９月２３日（月）まで東京ステーションギャラリー（東京都千代田区丸の内１－９－１）で開催される。
　本展では、フォロンの初期のドローイングから水彩画、版画、ポスター、晩年の立体作品までを含めた約２３０点が紹介される。

　フォロンの作品は色彩豊かで詩情があふれている。
　一見美しく爽やかにさえ見えるが、そこには環境破壊や人権問題など厳しい現実への告発が潜んでいる。

　フォロンは若き日に偶然出会ったマグリットの壁画に感銘を受け、絵画世界に惹きつけられた。１９５５年に移住したパリ近郊でひたすらドローイングを描く日々を送る。
　フランスではなかなか芽が出なかったが、作品を投稿したアメリカの「エスクァイア」「ザ・ニューヨーカー」「タイム」などの有力誌で注目され、１９６０年代初頭にはそれらの表紙を飾るようになった。
　その後、オリベッティ社（イタリア）のグラフィック・デザインを任されたり、ミラノ・トリエンナーレ（６８年）のフランス館で壁画を依頼されたりと活動の幅を広げていった。
　続くヴェネツィア・ビエンナーレ（７０年）やサンパウロ・ビエンナーレ（７３年）へのベルギー代表としての参加や、各国美術館での個展の開催など目覚ましい活躍をみせる。
　世界中で高い評価を得た活動は、版画や水彩画、ポスター、文学作品の挿絵や舞台芸術など多岐にわたる。

　開館時間は午前１０時から午後６時（金曜日は午後８時まで）。入館は閉館３０分前まで。休館日は月曜日（ただし７月１５日、８月１２日、９月１６日、９月２３日は開館）、７月１６日（火）。
　入館料は一般１５００円、高校・大学生１３００円、中学生以下無料。
　問い合わせ舎０３－３２１２－２４８５．東京ステーションギャラリーの公式サイトは　https://www.ejrcf.or.jp/gallery/

　本展は名古屋市美術館（２０２５年１月１１日～３月２３日）、あべのハルカス美術館（大阪）（２０２５年４月５日～６月２２日）に巡回を予定している。