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岡本和夫のギターを聴け!

 元ブルージーンズの岡本和夫のギターを聴け。
 岡本和夫とスペシャルバンドが2023年12月2日(土)、李世福アトリエ55gogo(横浜市中区山下町232金太ハイツ1F)に登場した。
 「Legend of the Electric Guitar」と題された3部構成のライブ&トークイベントの締めとして演奏したのだ。
 「内田裕也さんが好きな曲です」といって歌い始めたのは「One Night」。エルビス・プレスリーも歌っているナンバーだ。
 「一晩だけでもって一生懸命お願いしている曲です」と岡本さん。
 次に披露したのは「日本で最初のロックサウンド」といわれる「ユア・ベイビー」だった。岡本さんは「加瀬邦彦さんがブルージーンズが当時はインスト中心だった中で「お前の曲を作ったよ」といった歌です。歌詞は安井かずみちゃん」。
 「そしたら、すでにワイルド・ワンズの「想い出の渚」のB面としてもう入っていた」。それでもブルージーンズで1965年にシングル化された。
 ブルージーンズは民謡を独自に演奏したことで有名だが、岡本さんが次に弾いたのは「津軽じょんがら節」。ギターを「弾く」のではなく「叩く」のがコツだという岡本さんのプレイが冴えわたった。

「津軽じょんがら節」を演奏する岡本和夫さん


 岡本和夫とスペシャルバンドの他のメンバーは、ギターに前田健人さん、ベースにオザワさん、ドラムがMr.Matsui。
 最後のナンバーでは李世福さんもボーカルで加わって「ルート66」だった。

(左から)李世福さん、岡本和夫さん、前田健人さん


 岡本さんはバンドボーイ時代から内田裕也さんと深く関わってきたが、李さんも1980年代以降、毎年暮れのニュー・イヤーズ・ロック・フェスティバルで裕也さんと共演してきた。
 李さんは「ブルージーンズはゴールデンカップスなどよりもっと上だけど一番若かったのが岡本さんで、18歳ぐらいだったかな」と話した。
 次に披露したのは岡本和夫スペシャルバンド版の「ルート66」。
 終演かと思いきや、岡本さんがサプライズでベンチャーズの「パイプライン」を演奏し始め、観客は大喜びだった。
 岡本さんのスペシャルバンドの演奏の前に約10分間、ビートルズの日本武道館公演(1966年7月1日昼の部)のビデオを上映した。
 というのも、岡本さんがオープニング・アクトの一員としてビートルズと同じステージに立っていたからだ。
 初っ端は、内田裕也さんと尾藤イサオさんによる歓迎の曲「Welcome Beatles」。演奏は岡本さんがリードギターのブルージーンズと、ジャッキー吉川とブルーコメッツだった。
 今回映像が紹介されたのは他に、裕也さんとブルージーンズの「朝日のない町」とブルージーンズとブルーコメッツによるインストゥルメンタル「キャラバン」だった。後者で岡本さんはギターの間奏を弾いていた。
 岡本さんは他にもベンチャーズやアストロノウツとの共演経験もある。


 さて、時間を戻そう。当日のオープニングは李世福さんと前田健人さんだった。 1曲面は「ヘビードリンク・ヘビースモーカー」。ブルースだ。
 そして李さんは「ケント、エディ藩さんの曲をやろうか」と言って「横浜Honky Tonk Blues」を歌い上げた。李さんは歌詞に出てくる洋食屋の「オリジナルジョーズ」のことについて話した。
 「何回か行ったけれど、ピザの生地が薄くて上はカリっとしていて、美味しかったね。あと洋食屋は何軒かあったけれど、子どもが行けるような値段のところは他にはなかった」と李さんは語った。
 次は李さんのギターで始まるインストナンバー「芥子の花」。中国大陸の土と風の匂いがするかのような調べだった。
 次は「100万ドルの夢の島」を歌った「Island Dream  Hong Kong」。
 「『芥子の花』っていうアルバムを出した時、Chinese rockだっていわれて、いつか中国でコンサートを開きたいと思いました。でもまだ30数年前だから、面倒なことがたくさんあった。例えば歌詞の内容とか。それでやめちゃったんだ。旅行で行こうとは思わなかった。つまらなそうだったから。でも香港に一回行ったら面白くなっちゃった」。
 「2回目に行った時、母の故郷であるアモイに言ったら、懐かしいと感じてしまった。初めてだったのに。それからはまっちゃって、もうアメリカとかには行きたいとは思わなくなった」。
「今、中国は急速に発展している。40年前はコーラがなかった。35年くらい前からはもうコーラはあって、それから後に行った時にはビールでもなんでもあるようになった」と李さんは話した。

李世福さん(左)と前田健人さん


 さらに李さんとケントのギターの掛け合いイントロで始まる「月光」という曲を李さんは歌った。30代の頃、李さんが書いた曲で、満月の夜,男の人が「また会いたい、会いたい」というと女の人が「もう泣かないで。愛している」という内容の歌だと李さんは説明した。
 続けて「心が熱くなると/夢を持って旅をすれば/どこの国でも素晴らしいさ/人生は自分自身で/道を開いてゆくのさ」と歌われる「夢の旅」。
 この部の最後は「ルート66」だった。アメリカの同名テレビドラマは「オープニングがかっこよくて、でも頭の部分が終わるとつまらなくて途中で見なくなった。確か、ムッシュかまやつさんも同じことを言っていた。他のドラマ「名犬ラッシー」や「アニーよ銃をとれ」なんかはみんな面白かったんだけどね」と李さんは回想した。
 2部はシンガーソングライターのMIBUROさんが登場。

MIBUROさん


 最初は「Drink Beer」。2曲目は「Make you feel my love」。
 芸名のMIBUROさんの説明があった。「京都に壬生(みぶ)っていう場所があります。壬生の浪士っていうことです」。
 さらに「土方歳三のキープ・オン・スマイリング」と言って始めたのはさらにオリジナル曲で「Keep on smiling」という歌だった。
 次は街中の緑の大切さを思って作った「緑の中に」。
 MIBUROさんは「横浜が好きです。そのきっかけとなったゴールデンカップスの歌をやります」と言って2曲披露した。
 ヒット曲の「長い髪の少女」と「愛する君に」。
 最後に「李世福先生の曲」といって「BAYSIDE
 LOVE STORY」で締めくくった。


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