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MOIW2023 のぼり企画 入稿データ作成非公式ガイド

本稿は、MOIW2023ののぼり企画向けの入稿データ作成にあたって非公式なガイドを提供しようと試みるものです。(2022/12/28夜、一部わかりづらいと思われた部分に加筆修正を加えました)

今回のMOIW2023のぼり企画では「PNG形式」「ファイル容量10MB以内」のデータをバンダイナムコサイドに提出し、印刷してもらうことになります。
ただ、そのデータ作成の際、データ形式とファイルサイズが理由で問題がおきそうだということがわかったため、急ぎ書き起こしたのが本稿となります。

自己紹介がてら書いておきますと、筆者はアケマス時代に狭い範囲で流行った同人のぼりを自分でも作成した経験があったり、RGBでいただいた原稿データを印刷用にCMYKに変換する際に悪戦苦闘した経験がそこそこあるというタイプのPです。
(ヘッダー画像は筆者が15年くらい前に作成した雪歩のぼりのミニチュア版を撮影したものです)

1.解像度について

アソビストアからダウンロードできる公式のテンプレートでは入稿データの解像度について「200dpi以上推奨(最低100dpi以上)」という書かれ方になっています。
同時に「ファイルサイズ10MB以内」とも書かれています。

実際のところ、デザインの中にイラストを使用するようなケースではPNG形式で200dpi以上としたとき、10MB以内に抑えることはかなり難しいと思います。

実用上、100〜150dpiであれば十分掲示に耐えるものが出力できますので、ファイルサイズが10MB以上のサイズになってしまう場合、まずは解像度を落とすことを検討して下さい。

一般的なカラー印刷(雑誌などの商業印刷)の場合、画像ファイルの解像度としては350dpiが求められますが、B2ポスター等大判印刷の場合、画像は100〜150dpiで十分な出力が得られます。(商業印刷においても、ポスターでは150dpi程度の画像が用いられています)
これは、ポスターなど大判の印刷物は雑誌のように間近で見られるものではなく、ある程度距離を置いて見られるものになるためです。

そもそも、のぼりのような布への印刷(一般的にはインクジェット印刷です)の場合、入稿データの解像度が高くても印刷の段階である程度はにじみが発生してしまうということもあり、必要以上の解像度にこだわる意味はあまりありません。

2.色味について

前述のとおり、MOIW2023ののぼり企画では入稿データの形式がPNGとなっています。

PNG形式ではファイルの仕様上RGB以外のカラーモードが取り扱えないのですが、これを一般的な印刷で使用されるCMYKというカラーモードに変換する際、一部の色はかなり色味が変わる(=くすむ)ことになります
(この辺り、なぜ色がくすんでしまうのか、については「色空間」についての解説を検索してご確認下さい)

とくに一部の紫色、一部の水色(空色っぽい色)、エメラルドグリーン、蛍光色などは色が変わりやすい(くすみやすい)のでご注意ください(他にもあると思いますが、筆者が苦労した記憶が強いのがこのあたりなのです)。

最初からCMYKで作成した画像をPNGとして書き出し入稿データにするか、RGBで作った後で一度CMYKに変換してからあらためてRGBに戻したものを入稿データにすることで色の問題はかなり回避できるはずです。

CMYKを扱えるソフト(PhotoshopやGIMPなど)を入稿データの作成者がインストールするか、自身がそうした環境を用意できないのであれば、知り合いでその手のソフトを持っている人にデータを渡してカラーモードを変換してもらう、といった方法をご検討ください。

仮にPhotoshopを経由する場合、一度CMYKに変換した後でトーンカーブを調整することによって、機械的にカラーモードの変更をかけるよりも、色の変化をだいぶ抑えられるケースもあります。

以上、MOIW2023のぼり企画のデータ作成にあたっての参考になれば幸いです。

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