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「プレイング」ディレクターの悲哀

制作者は現場に入って数年すると、プロジェクトを任せられるようになる。
今まで1日を制作だけに充てていたのに、管理(ディレクション)もしなければならなくなる。
制作と管理の両立は難しく、片方を立てればもう片方が下がる「トレードオフ」の関係になっている。

ディレクションは大切な仕事で、そもそも正しい交通整理ができないとプロジェクト自体が上手く進まない。
しかし、常に新しい情報を仕入れていないと知識がすぐに陳腐化してしまい、製品の質が下がってしまう。

ディレクションを突き詰めれば、制作のテクニックが陳腐化していく気がするし、そのためには自分の制作時間を作り出さなくてはいけない。
デザイナーやエンジニアにとって、テクニックの陳腐化はいいようのない「寂しさ」がある。

ディレクターはただ交通整理をしているのではなく、
持てる知識を総動員して情報を正しく整理し、プロジェクトの進行を引っ張っている。経験と知識の「かたまり」だ。

優秀なディレクターの特徴
1.話をしっかり聞く(一方通行にならない)
2.難しい用語をわかりやすく伝える努力をする
3.丁寧な対応を心掛けている
4.ネガティブなことも率直に意見する

ディレクターである限り、知識の吸収と経験を続けていく必要がある。

移り変わりの早い業界でディレクター業を継続していくということは
「テクニックを磨き、人とのコミュニケーションを磨き、果てしなく続く勉強と経験と苦労の毎日だ。」

情報過多の時代、人間の錯覚(バイアス)をかいくぐり、あふれる情報からいかに有効なものを選ぶかが大切になっている。
だからこそ、優秀なディレクターは、お客様やプロジェクトにとっての「希望の星」なのだと感じている。


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