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「共感」を生み出す「隙」


人は音楽・映画・漫画・など、様々なものに共感し感動する。この「共感」という心の感情はどんなものなんだろうか。

以前漫画家の浅尾いにお氏がテレビ番組で次のように言っていた。

あまり精緻に描くと人は物語に入り込めない。だからあえてアナログの余幅を作りに行く。

この「余幅」という言葉に当時とても感銘をうけたことを覚えている。
完璧すぎる描写には、共感し感情移入できる隙が無いことを、ユーザーの反応から感じ取っていた。

また、別番組でタモリが次のようなことを言っていた。

神社など「聖なるエリア」の横には、必ず飲み屋街などの「俗なるエリア」が広がっている。
聖なるエリアだけの完璧な街は面白くないし、魅力的じゃない。

漫画などのコンテンツから、街の構造にも共通する「隙と魅力」の関係。

それは人が完璧ではないから、自分の心と同じ「隙」がないと、共感し、感情移入できないのではないだろうか。

クリエイティブでは「あえて隙をつくる」ことも大切なアイデアなのだと思う。デジタルだからといって精緻なピクセルにこだりすぎると、感情の入り込む隙の無い無機質なものになってしまう。

クリエイティブがしっくりこなかったり、クライアントの反応が悪い時は、いつもこのことを思い出すようにしている。

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