以前紹介したフェイクドキュメンタリー「Q」の新作「怪談 ‐ Passengers」が公開されていた。

物語中で登場する怪談DVD、怪談の舞台となった場所の現地取材の映像で、わりとストレートに怖さを煽る演出もあるけど、本質的な部分はジメジメとした怖さで構成されていて相変わらず面白い。
ある程度の可能性を推測することは可能ながら、怪異の正体がずっとはっきりせず、最後まではっきりとした答えも出ない、ただただジメジメとした怖さだけが残る……これぞジャパニーズホラーだよなあという感じ。
最後の一言、その一言を受けた取材者のなんとも言えない表情、完璧すぎて痺れた。

（以下、ネタバレ考察メモ）

「前野さんって、何でタクシーの運転手辞めたんでしたっけ？」という言葉を受けて「怪談は自分の作り話、井沢ディレクターも撮れ高のために何か仕込んでいてもおかしくない、しかし怪談の舞台として設定した場所で体験した恐怖体験は、井沢ディレクターも怯えていたあたり仕込みとも思えない、ところが現実にその場所は存在しない、では、当時あの場所での体験の記憶がある今の自分っていったい……そもそも、きっかけは作り話のはずなのに、なぜ今の自分はタクシー運転手を辞めているのだろう？」という表情を見せる前野さん、演技が完璧すぎる。