笑点(Pさん)

 正直、かなり追い詰められている。何がかといえば、文章表現はもとより、仕事関係も、健康状態についても。それで全部だろうか。なんという粗い格子だろう。
 追い詰められているというと、違うかもしれない。誰かよりは追い詰められていないという言い方をされるなら、そうかもしれない。しかし、実感としてはそうだから、自分が、追い詰められていると言っていいはずである。
 他はともかくとして、仕事上で、たとえば明日、私は、正常な、というのは、文章で何か書く気が起きる、読んでなんらかのレスポンスをする気が起きるという余裕が生まれる保証がないのである。
 仕事上で何があろうとも、それが終わるんであれば、割り切って、文章に打ち込めるという人があるんであれば、それは幸福だ、いいなぁ、と純粋に思う。
 僕はそうではない。明日はもしかしたらそういう状況から外れるんではないかと常に思わされている、少なくとも、仕事をしている最中には、そんなこと全く忘れなければならない状況に置かれるというのは確かなのだ。これは、実に苦しい。

 YouTubeで、日テレの番組「笑点」の、歴代オープニングアニメーションをまとめた動画というのを見ていた。
 私は、三遊亭好楽が加わってからの笑点しか知らない。それで、懐かしい七福神バージョンから見ていたのだが、思えばあれは、日本の神話を表現する、浮世絵のアニメーションでのパロディみたいなものである。
 最後には、「日テレ」の烙印が押される、という、何重にも文化の重なったものである。
 それがさらに、桂歌丸が司会の回のうち、春風亭昇太と林家たい平が加わった辺りのもので、三つの、いわばウィンドウというか画面が連動して各々の出演者を紹介するというシーンがあって、一体、文化というものは何重に重なりうるものなんだろうと、嘆息するようなものがあった。
 題字は、たぶん最初から、橘右近が制作している。彼はもと落語をやっていたが、それを諦めて、寄席文字を書く家業をやっているそうだ。弟子の左近がいる。
 この世界は、これからどうなるんだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?