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言いたいけど言えないこと

昨日1212の日は、私達を出会わせたゼミ活動の最終日だった。

ジェットコースターのような日だった。

2人の朝は同じ布団で抱き合いながらはじまった。彼は私を学校までバイクで送った後、ウチでワンピースを観ていた。

今日は11時から配属先発表があるから、と少しソワソワしていた。彼は東京志望だが、ずっと名古屋に行くと聞かされていた。

彼は発表を受けすぐに連絡をしてきた
「大変なことが起こった、東京になった」という通知を横目に様々な気持ちがよぎる

・離れ離れにならなくて嬉しい気持ち
・別れを覚悟していたから安堵の気持ち
・離れることで次の恋愛に進めるという気持ちがなくなったこと

私はまたここで「その場足踏み」をするんだ 
と複雑な気持ちになった。


しかしそんな気持ちはすぐにどこかに行った

彼の周りの人たちが、この報告に心の底から安堵しているのを見て感極まってしまったから

彼の友達や家族が、本当に喜んでいる
私も本当に喜んでいる気持ちは嘘じゃなかった


彼は私を家まで送るまでの間、今日がどんな日だったか夢中に話した。そしてキラキラさせた目で両親にはちゃんと口で言いたいと、実家に帰った。

22時頃、私が1人でいることを知った彼はまたうちにきた。毎週一緒に観ている恋愛ドラマを見るため。

ここから私のジェットコースターは急降下していく。

恋愛ドラマを観ながら、「俺も恋愛がしたいなあ」と独り言を呟く。私は心の中で「私でいいじゃん」と応える。


私が泣き崩れたのはここからだった

スケジュール帳に、2泊3日の旅行と女の子の名前を書いた。それを見た瞬間何かがプツンと切れて大泣きをした。

子供みたいにワンワン泣いた。

彼は心配して今日は一緒にいると言った。

「何があったか言ってくれないとわからない」

と言われた…本当は聞きたかった。
それはもう付き合ってる人なの?と
それならもう、私はあなたを好きでいるのが苦しいと

「あなたには関係ないこと。言いたくない」

私は強がったと同時に現実から逃げた。

「わかった、話したくなったら話すんだよ」

「無理して話さなくてもいいんだよ」

「明日は本選考だよね?目が腫れるといけないからホットアイマスクをつけて寝よう。」

「隣にいるから大丈夫」

「そんな状態で本選考行って欲しくない」

「今日一緒に居られてよかった」


たくさんの甘い言葉を浴びて、わたしは眠りについた。

今日も言いたいことは言えなかった。
言ったら壊れてしまうから

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