「Exciting!」「嘘こけ!」/Arin Ray「Serious」

ファンク・ロック・バンド、SCOOBIE DOのドラマーにして、メジャー・リーグ(MLB)の解説、実況、執筆、さらには俳優としてドラマ出演(ジェーン・スーさん原作の「生きるとか死ぬとか父親とか」)もされるなど、多岐に渡って活躍されているオカモト“MOBY”タクヤさんからご恵贈いただいた御著書『ベースボール・イズ・ミュージック〜音楽からはじまるメジャーリーグ入門』を拝読する。

7回終了時にかかる「Take Me Out To The Ballgame(私を野球に連れてって)」の誕生秘話をはじめ、各球団の球場でかかる曲の歴史や、選手の入場曲(Walk Up Song)の歴史や詳しい解説、様々なアーティストとMLBとの関係、選手の名前が出てくる曲紹介……と、様々な情報が詰め込まれていますが、あまりの膨大かつ濃厚な情報量に終始圧倒されっぱなし。どれだけ調べ上げてるんですか!と心底思いました笑。個人的には<ブラック・ミュージックとMLB><ヒップホップとMLB>の章がやはり興味深かったです。MCハマーがオークランド・アスレティックスの選手やオーナーに(ある意味)育てられ、ハマーという名前をもらい、デビュー・アルバムの融資までしてもらってたなんて、ビックリする話もあり。ブラック・ミュージック/ヒップホップ以外のアーティストだと、カナダのロック・バンド、ラッシュ(Rush)のゲディ・リーさんのガチ勢っぷりが半端なかったです。そしてレイ・チャールズ(ドジャーズ・ファン)の「音楽はベースボールだ」という発言には、涙を禁じ得ません…。その通りですよ、ミスター・チャールズ!(泣)

なんて興奮しながら楽しく読んでいたのですが、そういえばかつて一度だけメジャー・リーグの試合を現地で観たなぁと思いだし。
大学2年の夏休みにサンフランシスコに1ヶ月滞在していたのですが、その時にサンフランシスコ・ジャイアンツとどこか(失念)の試合を観たのでした。
その試合が投手戦で、たいして盛り上がることなくサクサク試合が進み、かなりのロースコアであっという間に終了し。翌日、語学学校の先生に「どうだった?」と聞かれて「たいして面白くなかった」と答えるのもアレだと思って「Exciting!」とか言ったら「嘘こけ!」(意訳)と言われたのでした笑。懐かしいなー。

サンフランシスコ滞在中にラジオからかかりまくってたのが、キース・スウェット「Twisted」。マジでバカみたいにかかってたので(失礼!でもホント)、当時はもう勘弁してくれと思っていたのですが(笑)、今となってはあの年最大の思い出ソング。旅先で聴く曲はその時の情景と相俟って忘れられないですよね。

Keith Sweat / Twisted
蕩けるようなサウンドもキースの粘っこい歌声もすべて最高なんですが、この曲のキモはカット・クロースのコーラスだと思います。このコーラスがあるのとないのとでは全く違うだろうし。MVもドラマ仕立てで見応えあり。

こちら↑は12インチに収録されてるフレイヴァ・フッドの面々によるリミックス。マーヴィン・ゲイ「Sexual Healing」使いで、サ・デュースがコーラスで参加。90年代ですね〜〜〜(遠い目)。


そういや、サンフランシスコでホストファミリーの親戚か誰かに「あなた何歳?」と聞かれ、「21歳」と答えたら、「13歳かと思った!」と言われたのでした…。これは喜んでいいのでしょうか?(笑)。確かに現地の中学生の方が、ノーメイク&短パン&Tシャツの私より遥かに大人ぽかったもんなー。そんな21歳の夏の思い出(笑)。


<今日の1曲>
Arin Ray/Serious

オハイオ州シンシナティ出身のシンガー・ソングライター。クリス・ブラウンやジェイソン・デルーロ等の楽曲を手掛けるなど裏方として活動したのち、2018年にデビュー。本日(6月3日)セカンド・アルバム『Hello Poison』がリリースされましたが、これが良い! 駄曲なし! どの曲をアップしようかなーと思いましたが、オープニング・ナンバーのこの曲を。もたったビートがどことなくJ・ディラを彷彿とさせる浮遊感溢れるミディアム・チューンとなっております。プロデュースはDJキャンパー。アルバムにはタイ・ダラー・サイン、テラス・マーティン、アリ・レノックス、ヴァンジェス、D・スモーク、ブラスト(以前紹介したブラストの「Fake Love in LA」にアリンが参加していたので、お返し共演ですね)等々、とんでもない面子が多数参加してますよ。他の曲も全部いいのでぜひチェックを!

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