自然とそうなっている

ワクチンについては打ちたくない人は打たなくていいというのが大原則だと思うのだけれど、一方でできる限り多くの人に打ってもらわなくてはという期待というか切実な願望が世の中にはある。

デマや無理解が広がっている現状を放置していては接種率が頭打ちになるのは時間の問題だ。このままではまずいということで、正しい理解をしてもらうために努力している人たちが世の中にはいるのに違いない。それがどこの所属のどういう人たちなのかは僕は知らないけれど、気の毒なくらいに困難な仕事であることは容易に想像がつく。

果たして彼らの絶望的な戦いは落とし所を見つけられるのだろうか…などと僕が他人事のように眺めていられるのは、幸いにして自分の身の回りに反ワクチンを掲げる人がいないからだ。いや、そもそもリアルでは妻と猫としか交流がないので人が多いも少ないもないのだけれど、面倒に巻き込まれなくて済んで心底ホッとする。

でも、あらためて考えてみるまでもなく本質的にはこれは他人事ではなくて、身近に問題がないからと言って無関係ではいられない、そういう性質の事件というか現象というか、なんだろう、適切な言葉がどうしても浮かばないのだけれど、とにかく自分もその中に含まれる何かなのだった。

多分、「わかっていない」という意味では個人差なんてほとんど無くて、新学期にクラス分けをしてしばらく経つとクラスの中でのそれぞれのキャラクターが本人の意思と無関係に自然に決まっていってしまうのに似た、社会の性質の問題のような気もしている。