夏の終わり

明日は残したものも残ったものも何もないはずの日のようだ。夏の終わりはいつなんだろうかとこの前ふと思いたって検索してみたら9月23日だと言われたけれど、気持ちはちょっとくらい先行している方がしっくり来る。

年々暑くなっていると頭では理解していても、去年より大変だったという感触はあまりない。一日の大半をエアコンの効いた部屋ですごしているからだろう。子供の頃は親や教師や大人たちの監視下にあって自分の居場所や行動を自由に決められないことが多かったから、暑さや寒さの我慢大会が日常だった。今は暑ければ帰るし寒ければ帰るし疲れても帰るし疲れてなくても帰るし自由は素晴らしい。

思う存分に自由を謳歌しているわりには、昨日も今日も仕事が思うように進まなくてまるで真冬のように日が暮れてしまった。午前中に干した布団はパリパリに乾いているけれど、不思議なくらいに匂いがしない。夏の匂いを探しに行くならばもう明日しかなくて、来年も夏が来るなんて思うなよと、どういう立ち位置かわからない謎の自分が耳元で囁いたりもする。夏が終わるのだ。そして秋が来るのかと言えばそうでもないのが何もないはずの8月末日の素敵なところだと思う。