言葉の使い方

ネットで誰かを批判する時に多く見られるあの嫌味のきいたねちっこい言い回しって世界共通なんだろうか。ひょっとしたら日本ならではのものなのかもと思ったこともあったけど、どっちであって欲しいのかはよくわからない。

実生活であんな言い方をしたらどんなに正しいことを言っていたとしてもまとまるものもまとまらなくなるというのは、ろくな人付き合いをしていない僕でも分かる。ここ2年くらいでネット上には怒れる人々が急激に増えたようで、はっきりと主張する人が増えたこと自体はとてもよいことだと僕は感じているのだけれど、もうちょっと言い方に気をつけていたらもう少し違った未来もあったんじゃないかと残念でならない。そんなことが人類に可能であったかどうかはともかくとして。

「ネットの普及で言葉の時代が来る」と予感したのはもう20年以上前のことだ。先に行ってしまったdeltaさんとメールのやりとりをしたのを今でも憶えている。SNSの普及で加速されて実際にやってきたそれは、何だかだいぶ低いところに着地してしまった。もう一度飛び立つには、ガソリンも風も助走に十分な距離の滑走路も足りないようである。

あらためてそんなことを考えたせいか、言葉のコンテンツをやっぱり作りたいなあと思ったりもした。風も飛行機ももうダメなら鳥でも呼ぶか。空を飛びたいなんて思うのは多分人生で初めてだけど、その空には月も星も色もない。