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私と競馬


小学生低学年の頃の冬休み、家族で中山競馬場に行った。

ただ本物の馬が走ってるところを見た記憶はなく、ポニーにこわごわ乗ったことをなんとなく覚えてる。
きっと父が競馬している間に、競馬場内のちびっこ広場的な場所で、母の付き添いで遊んでいたんだろう。

その日の帰りの車の中で「競馬場に行ったことは誰にも言わないように」と口酸っぱく言われた。
親としては、子どもが言いふらして「あの家は子どもを競馬場に連れて行くのか」と見られるのが嫌だったんだろう、と今となってはその気持ちも何となく分かる。

しかし、その日にあったことを1から10まで人に話すのが好きな子どもで、馬に乗るという面白い体験もしてしまったがために、図工の時間に「冬休みの思い出を絵に描いてください」とお題が出た時に、見事に馬に乗った自分の絵を描いて「かぞくでけいばじょうにいきました」と絵の説明に描いて、母に呆れられたことがあった。



今では私も競馬をしてる。


そんな親の血は流れているので血は抗えないところもあるが、経験から来てる部分のほうが多いのではないか。

私が生まれる前から父は競馬をしていたし、オグリキャップの大きいぬいぐるみに跨って遊ぶ2歳(人生で一番可愛かった頃)の私の写真もあるし、小学生の頃はPCで競走馬育成のゲームもやってたので、なんだかんだ競馬に触れていたので体に残っているんだと思う。

間違いなく、環境の影響は、ある。
でも競馬は悪いものだとは思ってないし、ひとつの文化のようなものだと思っている。


旦那と競馬観に行ってみたいね、という話をしたあたりから足を運ぶようになった。

都内からだと、中山競馬場も東京競馬場も電車で行ける。昔の競馬場はあまり清潔感なかったそうだが、今ではショッピングモールのように綺麗だし、イベントも多く、飲食店も入っているし、女性向けのブースまである。

なによりもサラブレッドの馬たちの姿が綺麗で見応えがあるし、こんなスピードで走るのかとその速さに驚く。

あと、あのレースの盛り上がり。コロナであの光景が見られなくなってしまったのは寂しい。

競馬は1日に2〜3ヶ所で開催されており、その会場以外のレースも画面中継されてるので、会場でのレースが終わると、会場のお客さんがわらわらと画面の前に移動して他会場のレースも見て、今度はパドックに移動してレース前の馬のコンディションを観て、馬券を買って、またレースを観る…。

手練れのオジサマ方はこれを朝から夕方までやっている。すごい。

私は他会場のレースまで追いきれないので、会場のレースだけに集中しているが、皆新聞片手、鉛筆片手に他会場のレースも追っているので忙しそうだ。
私はオジサマ方が、夢中になって考えて観て盛り上がったり盛り下がったりしている姿が好きだ。
彼らが会場の雰囲気を作ってくれている。


よく覚えているのは去年(2019年)の年末のホープフルステークス。 


毎年、年末になると有馬記念に行きたいと思うのだが、日曜は仕事があるので残念ながら基本G1のレースは行けずいつもしょんぼりしている。
馬券を前日に買い、仕事が終わってから結果を見ることが多い。


そんな私にも嬉しい、珍しく土曜開催のG1がある。
しかも「中山大障害」「ホープフルステークス」と1日に2レースもG1が見られる。
そんな贅沢日は、12月最後の土曜日である。
行かないわけにはいかない。


去年のホープフルステークスは、ラストの直線でスーッと前に出てきて、ほかの馬をものともせず圧倒的1着でゴールした馬に衝撃を受けた。
これこそコントレイルで、名前のとおり、飛行機が「飛行機雲」を引いて悠々と空を飛ぶように軽々しく駆け抜けていった。

競馬歴も浅いしそこまで詳しくない私でも「ヤバい馬が出てきたな」とわかる馬の雰囲気、会場の雰囲気だった。


先日のジャパンカップでは惜しかったが、あのラインナップで予想通りの活躍はしてくれただけでも凄まじく、若くても肝が座ってるところは馬でも尊敬する。

今後の活躍にもとっても期待しているし、アーモンドアイの大記録を更新する勢いで活躍してほしいと勝手にワクワクしている。


コロナ禍は、週末はグリーンチャンネルで競馬を楽しんでいたので、中止せずに続けてくれた競馬に救われた私のような人は多いのではないだろうか…。


1日でも早く、競馬場のスタンドのあの雰囲気が戻ることを待ち望んでいる。

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