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【料理】メッザルナを使ってみよう

Mezzalunaという包丁をご存じだろうか。
イタリアを中心とした地中海地域で古来から使われているみじん切り包丁で、三日月を表す名前の通り鮮やかな曲線を描いていて両手で取り扱うようになっている。
なるほどイタリア料理のみならず地中海の料理はみじん切りの出番が多い気がする。
中東なんかでもサラダはゴロゴロの賽の目に切るものだし、ソースの具にする玉ねぎやら香味野菜なんかはみじん切りが基本だ。
そういう背景があってみじん切りに特化した包丁が生まれるのもなるほどな話で、日本のそば屋には蕎麦切り包丁があるのと同じようなもんだ。

わが家は割とあちらさんの料理を作ることがあって、みじん切り包丁は前から興味があった。
細かくチョップするのならバイタミックスのミキサーでもできるが、あれはチョップというより粉砕なので切断面が潰れて汁気が出やすいので、どうも用途を選ばなければならない。
その点包丁で切るなら切断面もシャープで、餃子の具の野菜なんかも汁気が出にくくてよりジューシーな餃子ができるというわけだ。


それに加えて、コストコの巨大豚肉を扱うにはどうしてもこれが欲しかった。
先日サルシッチャを作った時は牛刀で細かい角切りにするのが大変厄介で、しかもそれ以上細かくするのは難しかった。
ならひき肉を使えばいいと思うだろうが、挽肉なんてものは組織が粉砕されすぎて肉の食感がまるで残っていないので論外、やっぱり肉は塊を加工してなんぼだ。
なので、両手で安全に力を入れられて効率的にチョップできるメッザルナはこの用途には最適だと考えた。
そこでAmazonで先週購入したものが、本日アメリカから届いた。
思ったよりも軽くて扱いやすそうだ。
早速普通のまな板を出してレタスを刻んでみたところ、どうも飛び散ってしまうのででかいものが必要だ。
それで業務用の巨大まな板に変えてやってみると、なかなかいい。
横に切った後縦に切るのはものを置き換えるのかまな板ごと向きを変えるのか、ちょっと悩ましいが、こんなものは慣れの範囲だろう。

さて、ここからが本題なのだけれども、Amazonなり楽天なりにはレビューというものがある。
買うかどうか決めるのにユーザーの忌憚のない意見を参考にできるのだけれども、ここで踏まえておかなければならないのは「たいていが買った直後のレビューだ」ということだ。
そもそも道具というものはきちんとした使い方を知ることとその扱いに習熟することで初めて本来意図した用途に役立つというものなので、品物が届いてその日のうちに書いたようなレビューなど、どこまでその品物の本質が理解できているかまことに疑わしい。
単にちゃんとした使い方を知らんだけということもあるであろうし、慣れていないだけということもあるだろう。
例えばバイオリンなんかは独学で弾こうとしたら少なくとも1年は殺人的な音を周囲にタレ流すことになるが、そのバイオリンを初めて手にした人が「この楽器は音程がまともに定まらないし姿勢が悪くなるので星一つだ」とかレビューしたところでアホらしい限りだ。
なので、道具の良さは使い慣れた頃にわかるもので、今使いにくいのは単にオレが慣れてないだけだと考えなければならない。
業務の方でもいろんなレビューをいただく事があってたまには辛口なご意見を賜ることもあるが、明らかに第一印象だけで言ってるなと思った時は、「3ヶ月使ってみて不具合を感じるようでしたら返品でも返金でも無条件でお受けします」と言っている。
3ヶ月経って返金してくれという人が今まで一人もいないのは、そういうわけだ。

そんなわけであるから、これからメッザルナの習熟に励まなければならん。
それで、今度はサルシッチャを大量に作ってみようと企んでいる。
5キロもある豚肉の塊もこいつがあれば結構簡単にチョップできるだろう。
そんな塊を2−3個ほど粗挽き肉にした頃には私もこの包丁について初めて意見を言えるようになるだろうと思う。

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