伊豆半島の南部に下田という港町がある。夏は海水浴場として、またペリーの黒船が来航した港町として知られており毎年多くの観光客が訪れる。学生時代、1カ月ほど下田の白浜にあるホテル伊豆急で住み込みのバイトをしたことがある。40年も前のことである。担当は白浜に面したレストランの給仕係。海水浴客の注文を取り給仕するといういたってシンプルな作業。人によっては2階のお土産コーナーでひたすら焼きそばを作る係や駐車場で一日中車を誘導する係、ホテル本館のプール監視員に割り振られた者もいた。ここで何人かの親しいバイト仲間ができ、彼らとは社会人になってからも数年間交流が続いた。懐かしい思い出である。