裏側の話

ずっと前からこの話題は小劇場界隈の役者さん、フリー声優さんにお伝えしたかったものなんだけども、長くなってしまうのと、どう表現したらいいかが難しくなかなか手が動きませんでした。ただ、先日私がお世話になっているところで同じような話が出たので、いっちょ書いてみるかと筆を取りました。

私は関東の某コミュニティラジオ局に勤めていました。社員は私と社長、時折顔を出す専務さんの3人。私はラジオ番組収録、取材、編集、放送管理、HP制作やパンフ作り、営業まで全ての業務を担っていました。小さい会社だからね。だから当時のその会社の全体は全て把握しているといっても過言じゃないです。

んで、その会社に限らずなんですが、コミュニティ局って結構「枠」を売ってるんですよ。番組枠。それを買ったところは番組を作って、放送局に送って、流してもらうわけです。一時期東京MXさんでホストさんが競う番組の賞金未払いが問題になっていたわけですが、あれも要は「枠を買った制作会社の問題」であって、放送局に責任や支払い義務があるかというと難しいところなんですね。コミュニティ局のラジオも同じです。私がいた会社も枠を買って貰えば、あとは大抵お任せでした。企画内容が法律に抵触していない、リスナーを不快にさせるものでない限りはラジオ局側が内容に口を出すことは一切ないわけです。私のいた会社は収録も自社制作の番組以外は全て購入者にしてもらっていたので(圧倒的に人が足りないので自社以外の番組を録ったり編集してる時間がない)、スタジオを使えるのは自社制作番組に出ている人(私含め10人いたかいないか)だけでした。

さて、なぜこの話をしたかというと、私の周りで「製作費がすごくかかるから、出演者はみんな○万円払ってこの番組に出ていた」とか「番組の偉い人が、ゲストとかが出ているパート以外はラジオ局のスタジオで録らせてもらってるって言ってた」って話を聞いたからです。しかも一度じゃなく数回、数人から。びっくりしました、だって「少なくとも私が知っている事実」とは違っていたから。

まず「ラジオ局のスタジオで録らせてもらってた」というところから。これは正直ラジオ局によって差があるのでなんとも言えません。私がいた局がやってないだけで、他社ではスタジオ貸し出しとかは結構やってます。ただ、そういう場合、大抵の人は収録場所(スタジオ)で写真とって宣伝してることが多いです。だから宣伝時にそういう写真がない場合はちょっと疑問を持ってもバチは当たらないのではないかと思いました。その人は「ラジオ局のスタジオで録っているからスタッフさんがツイートを見ている、だから何回も宣伝しないと次はラジオに出させない」と番組制作者さんに言われていたようですが、少なくともこの番組は局のスタジオで録ってないし、Twitterもそこまで監視してないよ、って感じです。1日に数十個ある番組の宣伝の一つ一つをそこまで監視するほど人手はないです、コミュニティは。大抵自社アカウントで宣伝すべきもの(新番組とか)は宣伝します。

次に、「製作費がめちゃめちゃかかるから出演料として○万円払っていた」という話。これは難しいラインなんですが、まずは一度放送局のHPで「番組枠の値段」を調べて欲しいです。コミュニティで枠を売ってるとこならほぼ確実に載ってます。

で、私が勤めていたところは1回30分で18,000円。週1回30分番組をやるなら月72,000円程度です。お話を聞いた方は月に3万円を出演費としてお支払いしていたようで、その番組の出演者は合計で10人くらい。そうすると制作側は30万円を徴収してるわけですね。そこから局に入るのは72,000円だから半分以下です。残り22,8000円は制作会社がかかる費用なんですよね。正直皆さん納得して払って出演なさっているでしょうからあまり深くは言及できませんが、個人的には10人で集まって72,000円を分担して負担した方がかなりお得な気がします。勿論、収録場所の値段(スタジオ代は都内で1,200-2,000円/h、4週分収録で3時間として6,000円程度)やマイク(2、3本必要かな?ピンキリですが一本5,000円として15,000円)、技術料(今は無料の編集ソフトでも十分なものが作れます)もかかりますが、月に最大でも10万円くらいあれば収まるわけですよね。そうすると一人当たりの負担は月1万でいいわけです。

あくまで単純計算ですし、例えばそこに知名度のある方がいるとかってなるとまた別の付加価値がありますから、それはそれでいいと思います。ただ、上の計算を見て「だったら自分でやったほうがいいかな」と思った方は是非有志で新番組を作ることをお勧めしたいです。

上の件は別に法的に問題ないのであくまで参考程度のお話ですが、あくまでこういった番組の責任者は「ラジオ局から枠を買っている」だけであって、「ラジオ局の人間ではない」ということは、皆さん覚えておいていただけると嬉しいです。時折「ラジオ局の人間だ」と肩書きを偽る方もいるので、不安な場合は局に問い合わせてみてもいいと思います。

私としてはラジオを皆さんに身近に感じて欲しいので、金銭的に躊躇している方はまず料金を調べていただけると嬉しいです。費用は分担することで安く抑えることもできますから、是非チャレンジしていただきたいなと思います。

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